EURO 2020 決勝のチケットが転売市場で前代未聞の暴騰ぶり
初戴冠を狙うイングランド、53年ぶりの優勝を目指すイタリア、入場制限という条件が重なり約760万円で出品されるケースも

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響から1年ズレ込む形で6月10日(現地時間)より開催され、7月11日(現地時間)の決勝戦をもって1カ月にも及ぶ熱戦が幕を閉じる欧州フットボール最大の祭典「UEFA EURO 2020」。優勝候補だったフランス、ドイル、ポルトガルがBEST 16で早々と姿を消す一方で、スイス、チェコ、ウクライナといったダークホース組がBEST 8まで勝ち上がり、デンマークに至ってはChristian Eriksen(クリスティアン・エリクセン)の一件がありながらもBEST 4入りを果たすなど、ネームバリューが全く当てにならない試合結果でわれわれを楽しませてくれた。
そして、55カ国の頂点を決める決勝の舞台に勝ち上がったのは、フットボールの母国イングランドと完全復活を目指すアズーリことイタリア。若手主体のイングランドは主要国際大会での決勝進出が「1966 FIFAワールドカップ イングランド 」以来55年ぶりかつ悲願の「EURO」初優勝が懸かり、アズーリは歴代最多記録となる33戦無敗というコンディション抜群の状態で53年ぶりの「EURO」優勝を目指し、世界中のフットボールファンが今か今かと火蓋が切られる日を待ち望んでいる。
しかし、ご存知の通り依然として新型コロナが猛威を振るっている関係で、決勝戦が行われるイングランドの『Wembley Stadium(ウェンブリー・スタジアム)』は収容人数が通常の9万人から約6万人に削減され、無論国外からの観戦者は基本的にNGとしている(イタリアからは1,000人のみ入場を許可)。
以上のことから決勝戦のチケットが軒並み転売市場に出品されており、最も安いチケットですら1枚3,400ポンド(約52万円)という定価の十数倍以上の値が付く暴騰ぶりを見せ、中には最高クラスのチケットが手数料込みで2枚50,000ポンド(約760万円)で出品されているケースも。
これだけ高いチケットを購入するサポーターは流石にいないだろうが、イングランドのフットボール熱はわれわれが思っている以上に凄まじく、首相 Boris Johnson(ボリス・ジョンソン)は勝利した場合には8月に特例の祝日を設ける可能性があると発言。また、多くの現地企業が2日酔いなどを考慮して出社時間の後ろ倒しをアナウンスし、とある小学校でも登校時間を遅らせることが判明している。決勝は日本時間7月12日(月)4:00キックオフ。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか。
英国の小学校の英断:
「もし貴方の子が深夜まで決勝戦を見れば、翌日は少し長く寝させて、登校を10時半までお願いします。欠席や機嫌悪い子より元気な子を迎えたい!
55年ぶりに英国が決勝戦に参加。国歌の意義、プライドや回復力、そして失望について子と話そう。これは子にとって学びの機会だ」 https://t.co/f7InJ4u51T— Dan Orlowitz (@aishiterutokyo) July 8, 2021