2021年の BEST スニーカー 10選
2021年のスニーカーシーンを彩った名作10足+αをセレクト

昨年に引き続き数多くの名作スニーカーが誕生した2021年。例年通り〈Nike(ナイキ)〉および〈Jordan Brand(ジョーダン ブランド)〉は根強い人気を維持していたものの、他のメーカーも話題のモデルを次々に発表した。コラボレーションモデルが豊作の年でもあったが、インラインモデルや過去の復刻モデルも充実。特に〈New Balance(ニューバランス)〉のフラッグシップシリーズ 900番台が2022年で誕生40周年を迎えることを記念した“990 バージョンシリーズ”のリリースも注目を集めた。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが拡がった昨年より〈Crocs(クロックス)〉や〈BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)〉、〈YEEZY(イージー)〉などの快適性を重視したフットウェアの人気がさらに加速したことも印象的深い。我々『HYPEBEAST』編集部は、そんな今年のスニーカーシーンを総括すべく、2021年を代表する10足(*Honorable Mentionを含めて13足)をセレクト。記事の最後では“あなたが選ぶ今年のベストスニーカー“の投票も実施しているので、是非とも参加してみてほしい。今年の名作スニーカー群を振り返りつつ、来年のトレンドを予測してみてはいかがだろうか。
空山基 x MIZUNO WAVE PROPHECY SORAYAMA
日本を代表するアーティスト 空山基と〈MIZUNO(ミズノ)〉のコラボレーションによって誕生したWAVE PROPHECY SORAYAMA(ウエーブ プロフェシー ソラヤマ)。同モデルは〈MIZUNO〉のフラッグシップモデル WAVE PROPHECYの10作目として製作され、コラボレーションにありがちなアッパーのデザインだけでなく、〈MIZUNO〉の構造的テクノロジーを結集したソールユニット “INFINITY WAVE(インフィニティ ウエーブ)”も空山氏の監修のもとにアップデート。アッパーは、透過性のある樹脂を採用した半透明仕様となり、ソール部は従来の“INFINITY WAVE”に比べ屈曲性の向上と軽量化を実現し、半透明のパーツを組み込んだミッドソールとアウトソールの大きな空洞によって“宙に浮いているスニーカー”のイメージを具現化した。また、本モデルの発表に際し、YOSHIROTTEN(ヨシロットン)らの制作によるメインビジュアルおよび動画も公開されている。
Rick Owens DRKSHDW x Converse TURBODRK Chuck 70
〈Rick Owens(リック・オウエンス)〉の2021年秋冬コレクションにてお披露目された〈DRKSHDW(ダークシャドウ)〉と〈Converse(コンバース)〉の初となるコラボフットウェア TURBODRK Chuck 70。〈Rick Owens〉といえば、スニーカーが世界中のファッションフリークの間で支持されているのは周知の事実。特に、2014年春夏シーズンから展開されているRick版のChuck Taylor All Starと言えるRAMONESは人気モデルのひとつだ。そんなRickが本家本元の〈Converse〉と初めてのコラボレーションした本モデルは、不朽の名作 “Chuck 70”ことChuck Taylor All Star ‘70をスクエアトゥにアレンジした傑作に仕上がっている。
A Ma Maniere x Air Jordan 3
アメリカ・アトランタ発の気鋭ブティック『A Ma Maniere(ア マ マニエール)』と〈Jordan Brand〉によるコラボAir Jordan 3は、ホワイト/ミディアムグレー/セイルのクリーンな配色と、プレミアムタンブルレザーとスエード素材のコンビネーションが採用されたエレガントな佇まいの1足。さらに、ライニングにはキルティング加工したサテン素材を使用し、数あるAJ3の中でもパリのエスプリを感じさせる仕上りに。左右のシュータン裏には同ブティックのオーナー James Whitner(ジェームズ・ウィットナー)が母親から学んだ“ある言葉”を手書き風にあしらい、アグレットには彼が大切にしているモットーである“Work Harder”が刻印された特別なモデルとなっている。
New Balance 2002R
2020年秋の初復刻以来、各所で話題となっている〈New Balance〉の2002Rから、ヴィンテージ加工を施したモデルが登場。アッパーの一部が破れて中の素材が露出しているような仕様が印象的な本モデルは、アメリカ・ボストンの街中でお年寄りの履いていたシューズから着想を得ているという。長きにわたり愛用されていたため、ところどころ摩耗していたそのシューズのイメージを再現し、所有者が履き込むことで、さらに愛着の沸く1足に。人気ブランド〈スタイリスト私物〉を手掛ける大御所スタイリスト 山本康一郎氏も愛用するなど、ファッションに精通した玄人にも支持された。
Off-White™ x Nike Dunk Low “The 50”
今年の11月28日(現地時間)に41歳という若さで急逝したVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)が手掛けた〈Off-White™️(オフホワイト)〉x〈Nike〉のコラボプロジェクト Dunk Low “The 50”は、彼が新たにデザインしたDunk Lowを50種類のカラーバリエーションで発売するという画期的なもの。50足のうちの48足はホワイト/グレーのアッパーをベースに、シュータン、シューレースシステムを覆うFlywireケーブル、サイドのスウッシュに添えられたタブ、おなじみのジップタイ、ミッドソールに配されたマーブル模様のラバータブ、インソールのカラーを変更。残る1/50と50/50の2足は、前者が2017年の〈Off-White™️〉x〈Nike〉Air Force 1 “AF100”を彷彿とさせるメタリックシルバーのスウッシュとイエローのミッドソールを備えたオールホワイトアッパーのモデルで、後者が2018年の〈Off-White™️〉x〈Nike〉AF1 “MoMA”の配色を踏襲しながらアクセントカラーとしてパープルを取り入れたカラーリングの1足に。また、〈Nike〉が本プロジェクトから導入した“Exclusive Access(限定アクセス)”という実験的な販売方法も大きな話題となった。
Travis Scott x fragment design x Air Jordan 1
2021年初頭よりリーク情報が出回っていたTravis Scott(トラヴィス・スコット)と藤原ヒロシ主宰の〈fragment design(フラグメント デザイン)〉、〈Jordan Brand〉によるトリプルコラボAir Jordan 1。今年7月にハイカットモデルが「Cactus Jack(カクタス ジャック)」x〈fragment design〉のコラボカプセルコレクションと共にドロップされ、その翌月の8月にローカットモデルもリリースされた。本モデルは“Military Blue”と称されたロイヤルブルー/ホワイト/セイル/ブラックのカラーリングを採用しているが、各パーツに配置されたカラーが異なる仕様に。また、スウッシュがLa Flameのシグネチャーである反転仕様となり、左ヒールに「Cactus Jack」のロゴ、右ヒールにウィングロゴと〈fragment design〉のサンダーボルトロゴが施されているのも大きな特徴だ。
Off-White™️ x Air Jordan 2 Low
故Virgil Ablohの手掛けた〈Off-White™️〉x Air Jordan 2 Lowは、今年を象徴する1足。「タイムカプセルからAJ2を取り出したとしたら、どんな姿になるだろう?」というコンセプトのもとに製作された本モデルは、デザインにあたって〈Nike〉の保管していたMichael Jordan(マイケル・ジョーダン)実着用のオリジナルモデルを3Dスキャンによって解析調査を行うという〈Jordan Brand〉および〈Nike〉の歴史上初めてとなるリバースエンジニアリングの手法を導入。ミッドソールのひび割れの再現が最大の特徴だが、左右で異なった形で加工されているのも見逃せないポイント。また、本モデルの発表を契機にAJ2の人気が再熱していることにも注目したい。
COMME des GARÇONS Homme Plus x Nike Air Foamposite One
今年1月に東京で開催された2021年秋冬コレクションのランウェイでお披露目された〈COMME des GARÇONS Homme Plus(コム デ ギャルソン・オム プリュス)〉x〈Nike〉のコラボフットウェア Air Foamposite One。ベースとなったのは、1990年代に一世を風靡した元NBAのスター選手 “Penny(ペニー)”ことAnfernee Hardaway(アンファニー・ハーダウェイ)のシグネチャーとして1997年に初登場したモデル。今回のコラボモデルで特筆すべきは、アッパーのデザインを大胆に変更していること。OGモデルの流線形から、枯山水の渦紋を彷彿される渦巻状のデザインへとアップデートされており、新鮮な印象の1足に。
G-DRAGON x Nike KWONDO1
今年5月ごろよりリーク情報が浮上し、SNS上で話題となっていたG-DRAGON(ジードラゴン)と〈Nike〉によるコラボフットウェア KWONDO1(クウォンド 1)。“自己表現”をテーマとしたKWONDO1のモデル名は、韓国武道の“テコンドー”、G-DRAGONの本名“クォン・ジヨン”、“Just Do It“を組み合わせたもの。フットボールスパイクのTiempo(ティエンポ)シリーズとクラシックなゴルフシューズから着想を得たアッパーのブローグ(穴を開けた装飾)のディテールや、取り外し可能なシュータンフラップ、ヒールタブに刺繍された〈PEACEMINUSONE(ピースマイナスワン)〉のデイジーモチーフなど、G-DRAGONの美学が反映された1足となっている。
Salehe Bembury x Crocs Pollex Clog
シューズデザイナー界の革命児 Salehe Bembury(サレヘ・ベンバリー)と〈Crocs〉によるコラボモデル Pollex Clogは、今年12月にリリースされたばかりだが、早くも2次流通市場で高騰するほど話題に。本モデルは〈Crocs〉の定番であるClassic Clog(クラシック クロッグ)をベースに、アッパー全体をBemburyのシグニチャーである指紋のモチーフを象った形状にデザイン。所々に空いている穴は、足において熱を発しやすい部分に合わせて配置されており、これによって通気性が良くなり、熱が内側に籠ることなく快適な履き心地を実現した。
Honorable Mention:READYMADE x Nik Blazer Mid
細川雄太の手掛ける〈READYMADE(レディメイド)〉と〈Nike〉による初のコラボスニーカー Blazer Midは、発売前からTravis Scottが着用して大きな話題となったモデル。今年2月にブラックとホワイトの2色がリリースされ、その後第3のカラーとしてフレンズ & ファミリーモデルが『Kaikai Kiki Gallery(カイカイキキ)』の運営する『Tonari no Zingaro』で3月に一般販売された。本モデルはクラシックなBlazerが大胆に再構築されており、製造過程から出るスクラップや古くなったスニーカーなどから作られたNike Grind(ナイキ グラインド)素材を15%使用したソール、1971年のオリジナルバージョンをイメージした細長いスウッシュ、リサイクルマークをモチーフにした思われるヒールやインソールのロゴなど、〈READYMADE〉の理念が盛り込まれた力作に仕上がっている。
Honorable Mention:Eames Office x Reebok CLUB C 85
〈Reebok(リーボック)〉と歴史的インテリアデザイン事務所「Eames Office(イームズオフィス)」によるコラボClub Cは、今年5月にアナウンスされた両者のコラボプロジェクトの一環として実現した。当初「Eames Office」で働く社員とその家族のためだけにフレンズ & ファミリーモデルとして製作されたものの、その後カラーリングを変更して一般販売された。本モデルは〈Reebok〉の定番であるCLUB C 85をベースとしつつ、シュータンには両者のロゴを配したダブルネーム仕様のタグを、サイドの小窓には“REEBOK”を“EAMES”に置き換えたプレートを採用した秀逸なアレンジが魅力の1足に。
Honorable Mention:FORTY PERCENTS AGAINST RIGHTS® x Nike SB Blazer Low
西山徹の手掛ける〈FORTY PERCENTS AGAINST RIGHTS®(フォーティーパーセント アゲインスト ライツ)〉と〈Nike SB(ナイキ SB)〉によるコラボBlazer Lowは、西山氏のこだわりが詰め込まれた1足。アッパーの素材は滑らかなスエードを基調としながらも、シュータン、スウッシュ、ヒールタブなどにパイソン(蛇)柄が型押しされたレザーを採用。さらに、左右のシューレースには“Nike”と“FPAR”の文字を象ったデュブレが配されており、どちらも目を引く“Bling-Bling”な仕様に。カラーはグレーとベージュの2種類がラインアップ。また、本モデルの発売を記念し、『SNKRS』にて公開された西山氏と藤原ヒロシ、江川 “YOPPI” 芳文の3者による対談動画も大きな話題となった。
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あなたが選ぶ2021年のベストスニーカーは?
- 空山基 x MIZUNO WAVE PROPHECY SORAYAMA
- Rick Owens DRKSHDW x Converse TURBODRK Chuck 70
- A Ma Maniere x Air Jordan 3
- New Balance 2002R
- Off-White™ x Nike Dunk Low “The 50”
- Travis Scott x fragment design x Air Jordan 1
- Off-White™️ x Air Jordan 2 Low
- COMME des GARÇONS Homme Plus x Nike Air Foamposite One
- G-DRAGON x Nike KWONDO1
- Salehe Bembury x Crocs Pollex Clog
- READYMADE x Nik Blazer Mid
- Eames Office x Reebok CLUB C 85
- FORTY PERCENTS AGAINST RIGHTS® x Nike SB Blazer Low