2017 Spring/Summer コレクショントレンド Recap

6月からスタートした2017年春夏メンズコレクション。『HYPEBEAST』では、ランウェイやルックブックでこれまでに発表されてきた数々のアイテム、そしてファッションウィーク中のストリートのトレンドなどを振り返り、印象的なディテールをピックアップ。鮮やかなカラーパレットや、独特の小物使い、新しいモチーフなど、ブランドそれぞれが提案するニュールックの中から、共通して見られる仕様やアレンジを探ってみた。来シーズンのトレンド予想も兼ね、以下より2017年春夏メンズコレクション、2016年のストリートトレンドを振り返ってみよう。

Taped Seams（テープド・シーム）
シーム部分でのテープ使いは、本来ほつれやすい縫い目などを覆い、滑らかに仕上げるための仕様。レインウエアやウォータープルーフ素材に用いられることが多く、機能服ではおなじみのディテールだ。〈Nasir Mazhar〉ではこのテープ使いを3トーンのジムショーツに採用。バルセロナのブランド〈Boris Bidjan Saberi〉も、ランウェイに登場したサーモシールドキャンヴァスパーカーに鮮やかなカラーのテープを用いている。

Multi-Stitches（マルチスティッチ）
クリエイティブなアプローチに多用されるマルチスティッチング。異素材や異なるパーツを組み合わせ新たな印象を作り上げるテクニックは、アイテムにパンクなエッセンス加えている。「Virgil Abloh」率いる〈OFF-WHITE〉ではTシャツに、〈Liam Hodges〉はパンツのパーツを組み合わせたトップスに、そして現在のストリートシーンからは〈Kiko Kistadinov〉によるユニークな〈Stüssy〉のフーディーなどが採用しているコンストラクションだ。

Embroidery（刺繍）
現在、そしておそらく来年までも続くであろう刺繍を多用したアイテムたち。ジャンルを超え多くのデザイナーが手がける刺繍アイテムは、下の2枚のストリートスナップからもわかるように、スーベニアジャケットやレザージャケットなどのストリートウエア、カジュアルアイテムに深みと渋さを演出。

Shoelace Belts（シューレースベルト）
80年代のスケーターたちの間でポピュラーだったシューレースベルトは、スケートボーディング中に切れるなどして使えなくなってしまった靴ひものスペアとして、彼らがベルト代わりに腰に巻いていたというスタイルから派生したもの。シューレースなら重く硬い金属のバックルも無いので、トリック中に腰まわりを打ったとしてもベルトのせいで怪我をすることはないというとてもプラクティカルなスケータースタイルだ。そんなシューレースベルトを採用したスタイリングは、〈Yohji Yamamoto〉や〈Lanvin〉からも登場。

Unfinished Hems（アンフィニッシュド・ヘム）
カットオフ、切りっぱなしと言われる裾のスタイルは、デニムだけでなくトラウザーやジャケット、トップスなどにもよく見られた。ウォッシュの効いた〈Soulland〉のデニムや、「Jerry Lorenzo」がデザインした「Justin Bieber」の“Purpose”ツアーマーチなど、ここでも80年代のユーススタイルの影響が感じられるディテールが採用されている。

Patchwork & Pins （パッチワーク＆ピン）
ランウェイ、そしてストリートでもこの8週間でよく目にすることとなった最後のディテールはパッチワークとピン使いだ。ベースとなるアイテムに、絶妙な個性とアクセントを与えるこれらのアイテムは、〈UNDERCOVER〉、〈Gosha Rubchinskiy〉、そして「Nigel Calbourn」のスタイリングに登場している。