2024年の BEST コラボレーション 10選
例年と比較して“アーティスト x ブランド”の組み合わせがより多く見られた1年に
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幅広い層へSNSが普及したことによって、より個人の活動にスポットライトが当てられるようになった現代。そんな時代の流れもあってか、2024年は例年と比較して“アーティスト x ブランド”の組み合わせがより多く見られた1年だった。
例えば、今回惜しくもTOP10にランクインしなかったものの〈Gentle Monster(ジェントル モンスター)〉とBLACKPINK(ブラックピンク)のジェニー(JENNIE)、〈Audemars Piguet(オーデマ ピゲ)〉とKAWS(カウズ)、「MSCHF(ミスチーフ)」とUKの音楽シーンを牽引するトップ・プロデューサー/DJ/アーティスト フレッド・アゲイン(Fred again..)、〈PUMA(プーマ)〉とエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)、〈Tiffany & Co.(ティファニー)〉とファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)などは、アーティストらの世界観を全面に押し出したコラボレーションで強く印象に残っている。
本稿では、そんな2024年内に行われた10のBESTコラボレーションを『Hypebeast』編集部の目線からセレクト。順番は発売日順となっているため、下記よりその内容をチェックしていこう。また、記事の最後では、“あなたが選ぶ今年のベストコラボ”の投票も実施しているので、是非とも参加してみてほしい。
Louis Vuitton x タイラー・ザ・クリエイター
Luis Perez
2023年2月、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が〈Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)〉の新メンズ・クリエイティブ・ディレクターに就任して以来、リアーナ(Rihanna)を起用したキャンペーンや数々のスターをフロントに迎えたランウェイショーの発表などで度々話題となっていたが、その中でもやはり盟友であるタイラー・ザ・クリエイター(Tyler, The Creator)との共同コレクションを挙げたい。2024 メンズ スプリング・コレクションでは、彼らが生み出したというモノグラム柄を手描き風にアレンジしたCraggy Monogramをメインパターンとして起用し、随所にはタイラーのアイコンのひとつである花のモチーフを散りばめるなど、遊び心のある仕上がりに。このとき同時に発表された公式オンラインストアの特設ページには、タイラーを彷彿とさせる犬のアイコンが登場する仕様となっており、細部にもこだわりを感じさせた。
Supreme
幅広いジャンルとのコラボレーションを行うことで、世間の注目を集め続ける〈Supreme(シュプリーム)〉。2024年はブランド設立30周年を迎えたこともあり、アニバーサリーブックとして『30 Years:T-Shirts 1994-2024』を発売したほか、中国内では初となる旗艦店『Supreme Shanghai(シュプリーム シャンハイ)』のオープン、タイラー・ザ・クリエイター(Tyler, The Creator)が出演するキャンペーンの発表など、スペシャルなコンテンツを発表し話題となった。その中でも、特に印象に残ったのが〈MM6 Maison Margiela(エムエム6 メゾン マルジェラ)〉とのコラボレーション。ラインアップには、〈Maison Martin Margiela〉時代から現在に至るまでのアーカイブを紐解き、メゾンが生み出した斬新な手法をストリートウェアに落とし込んだアイテムが揃った。異色のチームアップだったこともあり、発売日当日の国内店舗では行列ができたほか、多くの商品が即完を記録した。
Balenciaga
本コラボレーションは、〈Balenciaga(バレンシアガ)〉の公式『Instagram(インスタグラム)』にて〈UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)〉のロゴフープピアスの画像とともに公開され、予想外のタッグであったことからSNS上でまたたく間に拡散。その翌日には、中国・上海の『上海浦東美術館』にて行われた2025年春コレクションのランウェイショーでファーストコラボコレクションが発売される前に第2弾のコラボコレクションが発表されたことで、ファンの期待を高めた。また、2025年春シーズンのコラボコレクションも2024年11月に発売済み。すでに2回のコラボレーションを終えており、今後の両者の協業にも注目したい。
(c)1995士郎正宗/講談社・バンダイビジュアル・manga Entertainment
近年の“ファッションxアニメ”トレンドをいち早くキャッチした〈GEEKS RULE(ギークス ルール)〉と、1995年に公開された士郎正宗原作、押井守監督によるアニメ作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のコラボレーションTシャツ。熱狂的なファンを多く持つ同作は、ヴィンテージTシャツ市場でも価格が高騰していることで知られており、また1990年代に海外で販売されたTシャツをオマージュしたデザインであったことからも、発売前から話題に。第1弾の人気もあってか、翌月には早くも第2弾を発表。その際には、代表的なポスタービジュアルとサウンドトラックのジャケットに採用された草薙素子のイラスト画をそれぞれ採用した2種類のTシャツを展開した。
Dior / Stone Island
これまでもありそうでなかった、〈DIOR(ディオール)〉とイタリア発のメンズウェアブランド〈Stone Island(ストーンアイランド)〉のタッグによるカプセルコレクション。キム・ジョーンズ(Kim Jones)がデザインを手掛けた本コレクションでは、両ブランドの創設者のレガシーを引き継いだアイテムを展開。〈Stone Island〉のアイコニックなロゴタグはそのままに、インラインには見られない華やかな装飾やパステル調のカラーリングを落とし込んだジャケットやニット、パンツ、バッグ、シューズ、アクセサリー類などがラインアップした。
Palace Skateboards / Vivienne Westwood
〈PALACE SKATEBOARDS(パレス スケートボード)〉史上初となるウィメンズウェアが登場した、〈Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)〉とのチームアップ。両者からは、昨今の“Y2K”スタイルを反映させた、ユニークでパンキッシュなピースの数々がお披露目された。また、本コレクションのキャンペーンは、1997年に創刊されたスナップ誌『FRUiTS』の創設者である青木正一が、同誌と同じ手法で撮影を実施。このキャンペーンには、国内外で活躍するモデル/女優のモトーラ世理奈も登場するなど、全体を通して豪華なコラボレーションとなった。
Kith
“モード界の帝王”として知られる、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)の名を冠した〈Giorgio Armani(ジョルジオ アルマーニ)〉の初めてのコラボレーターとして大抜擢された、ロニー・ファイグ(Ronnie Fieg)主宰の『KITH(キス)』。ロニー・ファイグが数年間の準備の末、念願叶って実現したというこの協業では、両者の良さを最大限に際立たせたクラシックモダンなプロダクトがラインアップした。アーティスト、エンターテイナー、トラベラー、アントレプレナーという人物像からインスパイアされた4つのカプセルからなる大規模なコレクションとなった。
Renell Medrano
〈Marc Jacobs(マーク ジェイコブス)〉がブランド設立40周年を記念し、1年間にわたって行っていた親しい友人やブランドなどとのコラボレーション。NIGO®(ニゴー)や〈Cactus Plant Flea Market(カクタス プラント フリー マーケット〉、スティーブン・スプラウス(Stephen Sprouse)、〈DIOR(ディオール)〉など幅広いジャンルとクロスオーバーしていたが、中でもNYグラフィティ界のレジェンド フューチュラ(Futura)とのコラボカプセルコレクションは印象に残っている方が多いだろう。そのラインアップにもアイコニックなものが揃っており、彼のアイコニックなキャラクター “ポイントマン”を模したバックパックやシルバーのピアス、アートワークを全面にあしらったデニムアイテムやTHE TOTE BAGなどが登場。また、フューチュラは、本コラボコレクションの国内ローンチにあわせて約5年ぶりの来日を果たした。
Moncler Genius
〈Moncler(モンクレール)〉の展開するプラットホーム “Moncler Genius(モンクレール ジーニアス)”が2024年10月に開催した、没入型体験イベント「The City of Genius(シティ・オブ・ジーニアス)」。ここでは、世界的なクリエイターたちに“CO-CREATION”された新たなコレクションや体験をお披露目。イベント参加者は、藤原ヒロシ主宰の〈fragment design(フラグメント デザイン)〉や、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)、ドナルド・グローバー(Donald Glover)、NIGO®️(ニゴー)、〈Rick Owens(リック・オウエンス)〉、〈Palm Angels(パーム・エンジェルス)〉、〈Jil Sander(ジル サンダー)〉、ルル・リー(LuLu Li)、エドワード・エニンフル(Edward Enninful)といった錚々たるメンバーだ。それぞれは、〈Moncler〉とのコラボアパレルや各々の世界観を表現したインスタレーションなどを発表し、大盛況のうちに終わった。
Photo:sue Kwon – Subware / Neighborhood
滝沢伸介率いる〈NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)〉とニューヨークを拠点に活躍する世界的グラフィティアーティスト スタッシュ(STASH)主宰のブランド〈SUBWARE(サブウェア)〉によるコラボレーション。これは、〈NEIGHBORHOOD〉のブランド設立30周年記念のプロジェクト第1弾として発表された。カプセルコレクションは、〈SUBWARE〉がストリートシーンを牽引していた1990年代当時のデザインをベースに、現代のスタイルに落とし込んだアイテムがラインアップ。ONE THIRD(KIDSライン)も含め、全20型が揃う充実のコレクションとなった。
Julian Klincewicz
Laurie Lynn Star
Supreme x MM6 Maison Margiela
Balenciaga x UNDER ARMOUR
GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 x GEEKS RULE
DIOR & Stone Island
PALACE SKATEBOARDS x Vivienne Westwood
KITH x Giorgio Armani
Marc Jacobs & フューチュラ
Moncler Genius “The City of Genius”
NEIGHBORHOOD x SUBWARE
Honorable Mention:OAMC x Goldwin
Honorable Mention:MIKIMOTO x Chrome Hearts
Honorable Mention:DESCENTE ALLTERRAIN / JJJJound
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