東コレデザイナーに訊く10の質問 ── FAF 編

「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W」期間中の短期連載企画。2組目は東京発のクリエイティブユニット YouthQuakeのメンバーであるKazuhoとTsukasaの手掛けるユニセックスブランド〈FAF〉が登場

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今週よりスタートした「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W(楽天ファッション・ウィーク東京 2024秋冬)」。今季の通称 “東コレ”には、特別企画 “by R(バイアール)”にて発表する1ブランドを含む、全43ブランド(フィジカル発表35ブランド/デジタル発表8ブランド)が参加している。『Hypebeast』では、数ある参加ブランドの中から我々が注目する6ブランドをピックアップし、“東コレデザイナーに訊く10の質問”と題した短期連載企画を敢行。各ブランドのデザイナーに10の質問を投げかけ、彼らのパーソナリティや最新コレクションを紐解いていく。

2組目はデザイナー Kazuho(荒井一帆)とディレクター Tsukasa(高林司)によるユニセックスブランド〈FAF(Fake ass flowers、フェイク アズ フラワーズ)〉。彼らは都内を中心に活動するクリエイティブユニット YouthQuake(ユースクエイク)のメンバーでもある。富山県出身のKazuhoは、18歳で上京し、現在のYouthQuakeのメンバーと出会ったことで、ファッションや音楽の世界にのめり込むことに。大学在学中に独学でファッションデザインやグラフィックデザイン、服の縫製等を学ぶ。大学卒業後、2人組のDJユニット Fake Ass FlowersとしてTsukasaと共に活動。2018年には彼と共にアパレルブランド〈FAF〉を立ち上げ、デザインを担当。最近では、アーティストの衣装制作の監修も行うなど、活動の幅を広げている。一方のTsukasaは、東京都出身。コンゴ民主共和国の父と日本人の母を持ち、幼い頃から父親の影響でファッションや音楽に触れる機会を持つ。大学在学中に独学にてファッションデザイン、グラフィックデザインを学び、卒業後都内セレクトショップにてバイヤー、サブマネージャーを経験。その後Kazuhoと共に〈FAF〉を設立し、ディレクションを担当。また、YouthQuakeのグラフィックや、アーティストのマーチャンダイズのディレクションなども手掛けている。

〈FAF〉はブランドコンセプトに「肥大していく都市と自然のコントラスト」「ものづくりの可能性の追求」の2つを掲げ、またサブテーマに“THENEWCOMMUNE(理想郷)”への逃避を据え、都会の荒廃したイメージ、それと対極に位置する自然やスピリチュアルな現象から刺激を受けた、日本人らしい遊び心のある服作りを行っている。〈FAF〉は創業者の二人が現在の東京ストリートシーンの最先端に身を置きながらも、それぞれの独自の感性から生まれるユニークな発想、未来を見据えたコンセプト、その確かな服作りの技術が高く評価され、今回の「TOKYO FASHION AWARD 2024」を受賞した。


Q1.ファッションに興味をもったのはいつ頃からですか? それぞれのファッションのルーツ(もしくはスタイルの遍歴)を教えてください。

Tsukasa(以下、T):小5くらい幼い頃から見ていたリル・ウェイン(Lil Wayne)やファレル(Pharrell Williams)、Ye(カニエ・ウェスト)などのラッパーたちのPVで着ていた衣装などの着こなし真似をしていたのがファッションに興味を持ったきっかけです。

Kazuho(以下、K):中1でHip HopとSkateに出会ったのがきっかけです。Dipset(The Diplomats)のCam’ron(キャムロン)がヒーローでした。友達とスケートビデオを見て音楽を掘ったり、プロスケーターのファッションを真似してスケートしていました。

Q2.ブランドを始めたきっかけを教えてください。

もともと二人でDJユニットを組んでいたのですが、DJをプレイするときに着るTシャツにFAFのロゴをシルクスクリーンにプリントして着ていたのが服作りを始めるようになったきっかけです。

Q3.FAFの強みは何だと思いますか?

T:作る作品の力強さと無骨さ。さりげないジャポニズム。

K:自分らしさの追求、反骨精神

Q4.尊敬するデザイナー、ライバルだと感じている(または共感する)デザイナーはいますか?(*他業種のクリエーターでも可)

T:川久保玲(COMME des GARÇONS)、高橋盾(UNDERCOVER)、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh:Off-White™️ / Louis Vuitton)、マシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams:1017 ALYX 9SM / Givenchy)、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)、ディーター・ラムス(Dieter Rams)、よこけん君、Agnes Kruel……あげたらキリないかもしれないです(笑)

K:オオスミタケシ(MISTERGENTLEMAN / PHENOMENON)、中村ヒロキ(visvim)、トレマイン・エモリー(Tremaine Emory:Denim Tears)、平田和宏、TEITO(BoTT)

Q5.TOKYO FASHION AWARD 2024を受賞しての率直な感想を聞かせてください。

T:経歴のすごい歴代の受賞デザイナーの方々を見ても錚々たるメンバーでTOKYO FASHION AWARDは憧れでした。まさか自分たちがという気持ちもありますが、いつか挑戦したいと思っていたので、今回素晴らしい賞をいただけて光栄に思います。

K:ファッション界の登竜門でもあるTFAを受賞させていただき光栄に思っております。初出場での受賞は驚きました。

Q6.2024-25年秋冬コレクションのテーマを教えてください。

2024年秋冬コレクションでは“Recirculation(再循環)”をテーマにコレクション作成を行いました。“THENEWCOMMUNE”のメインテーマでもある都市と自然のコントラストをベースに、FAFが過去に作成したコレクションアイテムのデザインやパターン、仕様などを再度見つめ直し、改良、アップデートを加えて、FAFが元来持っていたエッセンスを“再循環”させた最新のコレクションになっています。

Q7.今回のコレクションのインスピレーション源となったモノ・コト(アートや映画、音楽、文学作品等)があれば教えて下さい。

K:今回は初の海外進出ということでTNCの集大成を表現できたと思います。世の中の情勢や遊びの中から受ける想いもインスピレーションに繋がっています。

T:コレクションに取り掛かる前に海外や地方等のさまざまな場所に行くことができました。都会の風景、自然の風景や各地で見る古着や衣服など主に自分の目で見たものをインスピレーションにコレクション制作に取り組みました。普段聴いている音楽からもインスピレーションを受けています。

Q8.今回のコレクションで特に注目してほしい点(こだわったポイントやキーアイテム等)があれば教えて下さい。

K:さまざまな局面で感じれる細かなディテール、周りのアーティストと作成したグラフィック。

T:既視感と新鮮さのバランスに注目してほしいです。

Q9.コレクションを通して伝えたいこと、メッセージはありますか?

K:共鳴、TNCの肥大化。

T:FAFを着た時に気持ちが沸るような洋服の力強さを感じてほしいです。

Q10.ブランドとしての今後の目標、具体的なプラン等あれば教えて下さい。

T:グローバルな展開と音楽などカルチャー的な側面から新鮮な顧客体験を届けたいです。

K:ファッションという括りを超えたクリエーションを展開していきたいです。


東コレデザイナーに訊く10の質問
【KAMIYA 編】
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