日本発のギャラリー CURU がタイ・バンコクに誕生
しかも場所は、バンコク・アートの震源地である「WAREHOUSE30」
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「CURU」のロゴは、NIGO&高橋盾が1993年にオープンした「NOWEHER」のクリエイティブディレクションも担当したという「7 STARS DESIGN」が担当。「CURU」の名称は、さまざまな感性が集まって来る、COOLな作品に触れることができる、たくさんの縁がクルクルと回る……という思いを込めて名付けられた。そしてこの「CURU」は、日本の現代アートの魅力をバンコクから世界へ発信するべく、「WAREHOUSE30」内にオープンした。
なぜ、バンコクだったのだろうか。ディレクターである大栗忠久氏に伺った。
「東南アジアの、アートに対する熱狂を感じていたんです。もしかしたら、バブル前の、あの時の日本の勢いのような気配すらあるんですよ。僕はもともと、東京を中心にアートの企画やキュレーションをやっていたんですが、徐々に海外でもっと大きなことをやりたいな、という気持ちが高まってきて。あれこれ調べているうちに、バンコクの盛り上がりでなにかできないかな、と思っていました。そうしたら、以前からマークしていた『WAREHOUSE30』の2Fがたまたま空いて。タイにネットワークもあったし、現地に住みたいという仲間もいたので、この機会を逃すまいとオープンしました」
タイは日本よりも参入障壁が低いと、大栗氏は続ける。
「日本では、アーティストを守ることに強く意識が向きがちで、またギャラリー同士のルールの縛りも多く、キュレーションをしていてもアーティストが希望する表現やキュレーターの意図を実現できないことが多くありました。いっぽうバンコクでは、まだ日本人アーティストの知名度が高くないこともあり、それを逆手に取って、過去の作品や展示に縛られないような自由な表現ができるという確信が持てたんです。そんななか、僕もキュレーターとして、日本の現代アートを世界に向けて自由に紹介したいという気持ちがアップしてきていました。さらにタイのコレクターも日本人アーティストを望む声が多かったので、まさにベストプレイス&ベストタイミングでした」
このCURUのオープニングには、バンコクの有名DJ、MAFTがプレイして祝った。また日本からもDJ MUROが駆けつけ、「CURU」の本気度を見せつけた。そして、こけら落としとなったアーティストは、ペインターアーティストのMHAK氏。ちなみに、オープンして即、そのMHAK作品の半分ほどが売約済みとなった。
このMHAK氏に続く展覧会として、10月20日から「CURU THE MODEL & THE CARD」、11月20日から「HIDDEN CHAMPION 20TH in BANGKOK」が控えている。バンコクに行く機会があれば、ぜひこの「CURU」に立ち寄って欲しい。
GALLERY CURU
WAREHOUSE 30,
Charoen Krung 30,Charoen Krung Road,
Bangrak District, Bangkok 10500
こちらが「CURU」のメンバー。左から GALLERY MANAGER の渡辺和史、CEO の町剛英、DIRECTOR の大栗忠久、CFO の森場忠和だ。