日本バスケ界に、超新星が現れた! 河村勇輝が6冠に輝く“B.LEAGUE AWARD SHOW 2022-23” リポート
「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2022-23」は、琉球ゴールデンキングスの初優勝というドラマチックな展開で幕を閉じた。6月2日(金)、B.LEAGUEを盛り上げた勇者たちを讃える“B.LEAGUE AWARD SHOW 2022-23”が開催された。
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日本のバスケットボール人気が高まっている。
5月28日(日)に行われた「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2022-23」第2戦、琉球ゴールデンキングスと千葉ジェッツが激突した『横浜アリーナ』には、リーグ史上最多となる13,657人ものファンが駆けつけた。
4年ぶりに有観客で開催された“B.LEAGUE AWARD SHOW 2022-23”でもその熱気は冷めることなく、会場となった東京『大手町三井ホール』は、バスケを愛する人々の期待と興奮でぱんぱんにふくらんだ。
まずステージに立ったのは、司会を務める日本テレビの田中毅アナウンサーと、テレビ朝日の佐藤ちひろアナウンサーのふたり。田中アナウンサーが、「なぜ、ライバル社のアナウンサーが同じステージに立っているのでしょうか?」と切り出した。
「8月から日本、インドネシア、フィリピンで開催される、FIBAバスケットボールワールドカップ2023は、日本テレビ系列とテレビ朝日系列で放送されます。そこでこのイベントは、私たちふたりが司会を務めることになりました」
そう、“B.LEAGUE AWARD SHOW 2022-23”は今シーズンの閉幕のイベントであると同時に、開幕が間近に迫った「FIBA バスケットボールワールドカップ 2023」前、最後のB.LEAGUEのイベントでもあるのだ。
実はこの日、台風の影響で登壇予定だった琉球ゴールデンキングスの桶谷大HCや田代直希は上京することができなかった。けれども会場にはワールドカップ日本代表の有力候補が多数集まり、彼らがいない寂しさを吹き飛ばした。
続いてB.LEAGUEの島田慎二チェアマンが登壇し、改めてファン、選手、スタッフへの感謝の言葉を述べて、“B.LEAGUE AWARD SHOW 2022-23”はスタートした。さまざまな賞が発表され、次々と選手やスタッフがステージに上がる。ちなみに、選手たちのスタイリッシュな衣装のスタイリングのディレクションを担当したのは、『Hypebeast』編集長の森口德昭。以下、主要な賞と表彰者のコメントを紹介したい。
特別表彰の“ココロ、たぎる。賞”を受賞したのが、千葉ジェッツと横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝。千葉Jを代表してキャプテンの富樫勇樹(左)と河村が登壇すると、田中アナウンサーは「Wユウキ」と紹介、会場が大いに沸いた。富樫は、次のような受賞のコメントを残した。「ファイナルでは負けてしまいましたが、チームで素晴らしい成績を残すことができました。ひとりでも多くのファン、ブースターの皆さんのココロをたぎっていれば嬉しいし、みなさんの応援のおかげでシーズンを走り抜けることができました」
“B1フェアプレー賞 presented by 日本生命”を受賞した3チーム。左から大阪エヴェッサを代表して竹内譲次、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実、宇都宮ブレックスの渡邉裕規。初めてフェアプレー賞を受賞した大阪エヴェッサの竹内は、このようなコメントで喜びを表現した。「正直、驚いていますが、大阪エヴェッサが正しい方向に進んでいることが証明できて、うれしく思っています。来シーズンも模範となれるようにがんばります」
会場が一気になごんだのは、特別表彰“マスコットオブザイヤー”が発表された瞬間。ファンからの投票は過去最多となる45万票強となり、激戦の末、川崎ブレイブサンダースのロウルが6万507票で1位に輝いた。過去にこの賞で3連覇し、殿堂入りしている千葉ジェッツのジャンボくんに迎えられたロウルは、愛らしいステップを踏んで喜びを表した。ただしロウルも2年連続2回目の受賞なので、殿堂入りも近い!?
“新人賞”に輝いたのは、横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝。2020年の暮れに特別指定選手としてチームに合流、主力選手として試合にも出場していたことから、会場には「新人?」という雰囲気も漂ったが、本人はこのようにコメントした。「限りある、若い時だけの賞を受賞することができて光栄です。プロとして1年目となるシーズンを迎えるにあたって、不安もありました。この新人賞に恥じることのないよう、精進を重ね、フレッシュさも忘れずにやっていきたいと思います」
レギュラーシーズンベストファイブや、ベストパフォーマンスチーム、最優秀審判賞などさまざまな賞が発表され、最後にレギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)が発表された。受賞したのは、河村勇輝! 河村は、“ココロ、たぎる。賞”、“新人賞”、“レギュラーシーズン最優秀インプレッシブ選手(MIP)”、“レギュラーシーズンベストファイブ”、“アシスト王”に続き、この日6度目の登壇となった。会場に集ったファンは、日本のバスケットボール界に新しいスーパースターが誕生した瞬間を目の当たりにしたのだ。恩師やチームメイト、そして祖母からのメッセージに声を詰まらせた河村(写真中央)は、受賞の喜びをこのように表現した。「チームメイトや恩師のコメントを聞いて、たくさんの方に支えられて今の自分がいることを改めて感じました。自分がMVPにふさわしいかは疑問もありますが、この賞は実力が一番の選手に授けられたのではなく、日本のバスケットボールを盛り上げる使命があるというメッセージだと受け取りました」。
そう、本人が言う通り、河村勇輝は日本のバスケの炎をさらに大きくする役割も担っているのだ。ワールドカップでも、河村勇輝に注目だ!