米アンディ・ウォーホル美術館で晩年のポップカルチャー作品を紹介するソーシャル・ネットワーク展を開催
京都市京セラ美術館でも9月17日(土)から“アンディ・ウォーホル特別展”が開催されるのでお見逃しなく

米ペンシルベニア州ピッツバーグにある『The Andy Warhol Museum(アンディ・ウォーホル美術館)』は“Andy Warhol’s Social Network: Interview,Television and Portraits”と題した展覧会の準備を進めている。
この展覧会は、モダンアートの旗手であるAndy Warhol(アンディ・ウォーホル)が、雑誌『Interview』での先駆的な仕事、ポートレートの依頼、そして“Fashion”、“Warhol TV”、“Warhol の15分”といった様々なエンターテインメント事業の接点にスポットを当てており、1969年から1987年までの『Interview』誌204号分が年代順に展示され、Warholが同誌のために手がけた革新的な作品のほぼ全てが初公開されることになるという。
チーフ・キュレーターのJessica Beck(ジェシカ・ベック)は「Warholは『Interview』によって従来の印刷メディアの型を破ることで、完全に彼自身のアイデンティティとブランドを作り上げました。彼は、Richard Bernstein(リチャード・バーンスタイン)のオリジナル作品を表紙に使い、自分のスタッフや他の有名人にインタビューさせ、編集をできるだけ少なくすることにこだわり、このライフスタイル・ブランドの一部として商業広告を臆面もなく取り入れました。このモデルは、先見の明があっただけでなく、現代文化がファンタジー、名声、セレブリティ、富に興味を持ち続けることを予言していました」と説明している。更に加えて「彼の他の作品と同様に、『Interview』は独創的でありながら、若い世代を取り込み、若者文化を称え、その時代のファッション、美、文化の傾向を反映した世界を作り上げました」と述べている。
この展覧会では、依頼されたポートレートや、先見性のあるエピソードを紹介し、Warholが『Interview』の作品を様々なメディアに介在させていたことを実証している。注目すべきは、Warholの肖像画のコミッションは、『Interview』や“Warhol TV”のようなよりクリエイティブな追求のための資金となり、同時にセレブリティ、社会的影響力のある人々、アートパトロン、企業経営者など、彼自身のソーシャルネットワークに燃料を供給していたことだ。
また、アート部門のアシスタント・キュレーターであるTyler Shine(タイラー・シャイン)氏は「Whrholの社交界は、異なる世界の衝突でした」と説明する。「彼はダウンタウンのアートシーンと社交界の人々、セレブリティ、出版業界を巧みに融合させました。この展覧会は、これらのつながりに注目するだけでなく、Whrholがそれを可能にするために使った戦略も紹介しています」。
また、今回このWarholのポートフォリオに加え、70年代と80年代を通じて『Interview』の最も象徴的な表紙のいくつかを手がけたアーティスト、Richard Bernsteinの60以上のオリジナル・コラージュ作品も展示される予定だ。
“Andy Warhol’s Social Network:Interview,Television and Portraits”は2022年9月24日から2023年2月20日まで開催される。もしこの期間にWarholの生まれ故郷であるピッツバーグを訪れる機会があるのであれば、必見のエキシビションとなるだろう。
いやいや渡米はとてもムリ、という方は、2022年9月17日から2023年2月12日まで京都市京セラ美術館で開催される“Any Warhol Kyoto(アンディ・ウォーホル・キョウト)”を訪れてみては如何だろう? 門外不出の“三つのマリリン”、大型作品“最後の晩餐”ほか、京都でしか見られない日本初公開作品100点以上を含む約200点が来日するらしいので、こちらも必見だ。