Pagani が世界5台限定の Huayra Codalunga を発表

イタリアの高級車ブランド「Pagani（パガーニ）」が、最新のオーダーメイドハイパーカーであるHuayra Codalunga（ウアイラ コーダルンガ）を発表した。

このプロジェクトは、2018年に2人のコレクターが「Pagani」創業者兼チーフデザイナーのHoracio Pagani（オラシオ・パガーニ）にHuayra Coupeのロングテールバージョンの製作を依頼したことからスタート。そのオーダーは“クリーンで合理的なデザインかつエレガントなハイパーカーで、公道はもちろん、国際コンクールイベントでの展示にも違和感のないモデル”というものであったという。「Pagani」グランディ・コンプリカツィオーニ部門の責任者は、「これらの車両のデザインやカスタマイズには、無限の可能性があります。こうしたプロジェクトは、Paganiの名にふさわしい芸術作品を創り上げるという共通の野心と全員の力を結集し、クライアントの好みや要望を解釈し集大成させたものになります」とコメント。世界中で走らせることかできる完全な認証を受けたハイパーカーとするために、このわずか5台のプロジェクトのために多大な資源を投入したという。

「Pagani」の哲学に基づき、インスピレーションの源である偉大な博学者 Leonardo da Vinci（レオナルド・ダ・ヴィンチ）の創造性の原則に従って、細部に至るまで設計。スタイリングのコンセプトを決定するまでには、2年の歳月を要し、その後1:4スケールとフルサイズの2つのモデルを制作したのだそうだ。「Paganiのプロジェクトはすべてビジョンと夢から生まれ、さらに最も象徴的で高級なPagani車のいくつかは、クライアントのビジョンと夢から生まれています。例えば2009年にはZonda（ゾンダ）の最も象徴的なモデルのひとつであるZonda Cinqueにつながりました。Paganiは、60年代のコーチビルダーと同じように、一人のクライアントのためにこうしたオーダーメイドのプロジェクトを開発することが可能ですが、今日の国際的なホモロゲーション要件に準拠したものでなければなりません。具体的にこのモデルの5台のうち1台は米国市場向けに認定される予定です。Paganiグランディ・コンプリカツィオーニは、オーダーメイドの超高級車でもシリーズ生産の品質を提供することができます」とコマーシャル・ディレクター Hannes Zanon（ハンネス・ザノン）。

「私たちは、Huayra Coupeのシンプルで直線的なスタイルを出発点にすることにしました。Huayra Codalungaは、風によって成形されたかのように、より長く、より滑らかで、クーペよりもさらにエレガントなラインをデザインしています。1960年代の「Le Mans（ル・マン）」で活躍したロングテールからインスピレーションを得て、非常にきれいなラインを描くことができました。デザインには何かを付け加えるよりも、むしろ取り除いていますが、このようにシンプルにするということは、決して簡単なことではありません。このクルマは何よりもシンプルなアイデアを複雑に追求した結果生まれました」とHoracio Pagani（ホラッチョ・パガーニ）。1960年代のコーチビルダーたちは、航空機のデザインからインスピレーションを得て、スピードと空気抵抗を減らすことをひたすら追求し、自動車史に残る象徴的なフォルムを作り出すことに成功した。その方法はアルミニウム合金を使い、手作業で作成された大型のボディパネルによるものだったが、「Pagani」は先進の複合材料に関するノウハウを駆使して、ボディワークを実現している。

Huayra Coupeのものよりも360mm長いリアエンジンカバーの中には、840馬力、1100Nmのトルクを発生するPagani V12を搭載。チタン製で重量わずか4.4kgのエグゾーストシステムと、特徴的な4本のテールパイプから発せられる排気音は独特のものである。ボディは「Le Mans」およびレーシングカーへのオマージュとし、表面は特殊なセラミックコーティングで形成。重量はわずか1280kgで極めて高いエアロダイナミクス効率を実現。また可変式の4つのフラップは、最新のアクティブ・エアロダイナミクスを表現している。コンセプト＆インテリアデザイナーのArbert Piccolo（アルベルト・ピッコロ）は、「室内外の色や素材は1960年代のクルマを彷彿とさせます。外装の塗装はコックピットに溶け込み、構造部品にはカーボンファイバーの露出仕上げを残しています。また、エイジング加工がされたスエードレザーを織り込んだ内部仕上げにも職人技が見られます」とのコメントを残している。

カラーリングには、ニュートラルカラーとセミマットまたはフルマットペイントを使用することで、過去の色合いを想起。車のデザインのシンプルさを引き出すとともに、そのコンセプトはインテリアにも反映され、シートはレザーとヌバックを織り交ぜた仕上げに。アルミニウム部品は1つのブロックから削り出しているが、これは、かつて職人がひとつひとつ手作業で磨き上げた技術へのオマージュとのこと。古き良き職人の技術や、1960年代の「Le Mans」、ロングテールマシンを彷彿とさせるHuayra Coupeはまさに夢を形にしたハイパーカーだ。本モデルの価格は700万ユーロ（9億8700万円）からとしている。