adidas Originals 最高峰のアパレルコレクション “Blue Version” に秘められたメッセージに迫る
記念すべきコレクション第1弾のデザインを手がけたStefano Pierre Beruschiにインタビューを敢行
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これまでに数多くの名作と呼ばれるスニーカーを生み出し、アパレルにおいてもパフォーマンスという枠組みを超えたストリートのアイコン的存在として、不動の地位を築き上げてきたドイツ発のスポーツウェアブランド〈adidas(アディダス)〉。その影響力と功績はもはや説明不要であり、数多くのアイテムや逸話でその名を世界中に轟かしてきた。そんな本ブランドから2001年に登場した〈adidas Originals(アディダス オリジナルス)〉は、アスリートのために開発されたプロダクトの復刻アイテムや現代のトレンドを反映させた新作モデルや本格的なスケートボーディングやスノーボーディング用途のプロダクトを数多く展開し、さらにKanye West(カニエ・ウェスト)やBeyoncé(ビヨンセ)などの世界的なアーティストから〈Prada(プラダ)〉や〈NOAH(ノア)〉といったファッションブランドとのコラボレーションも行うなど、常にシーンをリードしてきたブランドだ。
そして〈adidas Originals〉が設立20年という節目を迎えた今年、満を持してローンチされたのがブランド史上最も野心的かつ“最高峰のアパレルコレクション”という位置づけの“Blue Version(ブルーバージョン)”。今年9月15日にその第1弾としてブランドを象徴するブルーバードカラーを基調としたアパレルコレクションがお披露目された。スポーツウェアの可能性を大胆かつ想像力豊かに表現した本コレクションは、ブランドのアーカイブにクチュールテイストや現代的なディテールを施し、クラシックなスタイルを再構築したAsymmentric Track Top(アシメントリック トラック トップ)に世界的なレジェンドサッカープレイヤーの名を冠したBeckenbauer Track Top(ベッケンバウアー トラック トップ)、そしてTrenchcoat(トレンチコート)などがラインナップされている。また、記念すべきファーストルックのビジュアルはファッションフォトグラファーのPierre-Ange Carlotti(ピエール=アンジュ・カルロッティ)が撮り下ろし、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティストのDUCKWRTH(ダックワース)と、映像作家 Ganna Bogdan(ガンナ・ボグダン)の2名がモデルとして起用された。
このように歴代のアパレルとは一線を画す“Blue Version”を深掘りするべく、今回は〈adidas〉のコラボレーションおよびパートナーシップ、〈Y-3(ワイスリー)〉、ラグジュアリーのシニアデザインディレクターを務めるStefano Pierre Beruschi(ステファノ・ピエール・ベルスキ)にインタビューを行い、本コレクションに秘められたメッセージについて迫ってみた。
HYPEBEAST:まずはadidas Originalsについてお伺いしたいのですが、ストリートカルチャーとブランドの関係性について教えてください。
adidas Originalsはこれまでにライフスタイルやファッション、音楽、カルチャーからインスピレーションを受けてきました。その中で、ストリートに限らずあらゆるサブカルチャーに触れることで彼らが聴く音楽やスタイリングに着目し、そういった要素をベースに今もなお成長しているブランドです。
新しく登場した“Blue Version”もライフスタイルやファッション、音楽、カルチャーからインスピレーションを受けて制作されたのでしょうか?
他のコレクションと同様に“Blue Version”でもリサーチに多くの時間を費やしています。具体的には、まず初めにadidasのDNAであるスポーツの歴史の中から見落としがちな興味深いストーリーや瞬間を探しました。そしてその次は街に出て、ビンテージショップで品番や名前すら分からないようなアーカイブを探し、そこからストリートに散りばめられた美しい表現をピックアップしました。そういったアイディアの数々をオフィスに持ち帰り、ユース世代のシーンにヒットしている音楽を聴きながらデザインを進めていったのです。
なるほど。つまり“Blue Version”は過去の様々なアーカイブをもとにデザインされ、現代のユース世代を意識したコレクションということですよね?
そうですね。それでいてadidas Originalsが今も昔もファッション界の権威であることを世界中に示したいという思いも込めています。私たちは自らのアイデンティティをコレクションに落とし込み、それが独創的でシーンをリードするような表現になることも意識しています。
コレクション名ともリンクしているブルーバードカラーについて詳しくお聞きしたいです。
誰もが知っているようなコレクション名にしたいと思い、“Blue Version”というタイトルをつけました。また、ブルーバードカラーはブランドにとってのトレードマークであり、これまでの歴史を象徴する色なんです。なので、ブルーバードカラーを全面的に表現して制作を進めていき、どのアイテムにも一貫性を持たせるように意識してデザインしました。この過程は非常に意味のあることだと思っています。
今回のアイテムをどういったスタイルの人たちに向けられているのか、現時点で具体的なイメージはありますか?
コレクションをデザインする際に私たちが意識していたのは、個性的で無理のないスタイルを持っているような人たちですね。ですから、何事にも自信を持って取り組むパワフルな現代的ユース世代の感覚を持った人をイメージして仕上げました。どんな人でも等身大の姿で全てのアイテムを着用することができるはずです。
最後に個人的に気に入っているアイテムがあれば教えてください。
もちろんいいですよ(笑)。まずご紹介したいのがTrenchcoatです。理由は、定番のクラシックアイテムでありながらadidas Originalsによって型破りな個性が吹き込まれているからです。それとEssentials Hoodie(エッセンシャルズ フーディ)もとても気に入っています。シンプルでありながら洗練されたシルエットとディテールを持ち合わせたアイテムで、唯一無二の完璧なフーディではないでしょうか。“A good Hoodie is Life…(良いフーディは人生を豊かにしてくれると信じています)”。
〈adidas Originals〉の“Blue Version”は、過去のアーカイブや現代のユース的感覚を独自の視点で融合させた唯一無二のコレクションである。そして、“どんな人でも等身大の姿で全てのアイテムを着用することができるはず”というStefano Pierre Beruschiの言葉通り、本コレクションのすべてのアイテムには、スタイリングや着こなし方の正解という概念はなく、自分自身に対して胸を張って着ることができるかが大切なのだろう。そんなメッセージが込められた“Blue Version”は、9月15日(水)より〈adidas〉の公式オンラインストアおよびアプリ、『アディダス ブランドセンター RAYARD MIYASHITA PARK』、原宿と新宿に構える『adidas Originals Flagship Store』『三越伊勢丹オンライン』で販売中。アイテムの価格帯は6,919~48,400円(税込)となる。詳しくはブランド公式の特設サイトからチェックしみてはいかがだろうか。