Banksy の “Hula-hoop Girl” がアートギャラリーに売却され壁ごと撤去される
「今回私たちが購入しなければ2年後には消えていたでしょう」

昨年10月にBanksy(バンクシー)がイングランド・ノッティンガムの壁に“ボム”した作品 “Hula-hoop Girl”。以降その壁は街の新たな観光地として親しまれていたが、2月17日(現地時間)に建物のオーナーがアートギャラリー『Brandler Galleries』に売却し、壁ごと撤去されたことが判明した。
“Hula-hoop Girl”は、柱に繋がれた後輪のない自転車と、その後輪でフラフープする少女のグラフィティがセットになったものだったが、壁とあわせて自転車も撤去されたようで、突然の観光地の消失に近隣住民は悲しみに暮れているという。しかし、購入した『Brandler Galleries』は作品の展示および保護を目的に購入したとのことで、「街のために絵を守れというのは簡単ですが、住民の方々は維持費や修復費を払えるのでしょうか。オーナーは過去4カ月にわたり公的機関や慈善団体などへの寄贈も検討したそうですが、どこも取り合ってくれなかったそうです。作品の保護方法も適切なものではなく、今回私たちが購入しなければ2年後には消えていたでしょう」と主張。またオーナーは、「作品を寄贈できなかったので、今回の収益を個人的に寄付することにしました」とコメントしている。
売却金額は6桁とだけ明かされていることから、最低でも10万ポンド(約1,468万円)以上ということになるが、近頃のBanksy作品の価値の上がり方を考えると相当なお手頃価格と言える。だが彼の作品を巡る動きは、今回のように作品の価値が分かる団体が保護すべきなのか、それとも時に落書きと批判されるストリートアートの時点で発見され次第消去されるべきなのか、一朝一夕では正解を導き出せないが、月日の経過と共に消えゆく儚さも魅力の1つではないだろうか。