世界報道写真コンテスト 2020 大賞は日本人カメラマンが受賞
日本人では41年ぶり4人目の大賞受賞
オランダの「World Press Photo Foundation(世界報道写真財団)」が主催する、2020年の“World Press Photo(世界報道写真展および世界報道写真コンテスト)”の受賞者が発表された。
同コンテストの受賞作品を展示する“世界報道写真展”は、1955年にオランダのアムステルダムで「世界報道写真財団」が発足し、翌年から始まったドキュメンタリー/報道写真の展覧会。毎年、その年の1月~2月にかけて、主に前年に撮影された写真を対象にした“世界報道写真コンテスト”が開かれ、十数人からなる国際審査員団によって選ばれた入賞作品が同写真展の作品として、世界中約120会場で展示される。
第63回となる今年は、125の国と地域から4282人のフォトグラファーが参加。73,996点に及ぶ応募作品の中から、“現代社会の問題”や“環境”、“一般ニュース”、“スポーツ”などの8部門において、24カ国44人の受賞が決定。このうち、“一般ニュース”部門でノミネートされていた『AFP通信』のカメラマン 千葉康由の作品が大賞を受賞。日本人の大賞受賞は、41年ぶり4人目となる。
“Straight Voice(まっすぐな声)”と題された千葉の作品は、長期独裁政権が退陣に追い込まれた後のスーダンの首都 ハルツームで催された文民統制を求める対話集会で、デモ参加者の掲げる携帯電話の光に照らされながら、抗議の詩を叫ぶ若者の姿を写した一枚。当局により、電力やインターネットが遮断される中、集まった人々が携帯電話を駆使する様子は、現在のアフリカの発展を表している。また、“スポットニュース”部門では、『EPA通信』黒川大助が第2位に選出された。
審査員は今回の選出にあたり、抗議と変化の活性化における若者の役割が、2019年の主要なテーマであったとコメント。また、44人の受賞者のうち、10人の写真家が気候危機の原因と影響を主題として選択する傾向が見られた。受賞作品は、『World Press Photo Yearbook 2020』として一冊の書籍にまとめられる予定。大賞作品含む、その他の受賞作品は上のフォトギャラリーからチェック。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、“世界報道写真展 2020”の開催時期は、本稿執筆時点では未定となっている。詳細が決定次第、本展覧会公式サイトで発表されるとのこと。
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