連続殺人鬼 Zodiac Killer が残した暗号文が51年越しに解読される
1968年から1974年にかけて37人が殺害された現在も継続捜査中の未解決事件

1968年から1974年にかけてアメリカで発生し、現在も継続捜査中の未解決連続殺人事件 “ゾディアック事件”。37人を殺害したと主張する実行犯 Zodiac Killerが犯行後に警察やマスコミに犯行声明文を送ったりと、自身を主役に犯罪を見世物として楽しんだ典型的な劇場型犯罪として知られているが、その犯行声明文の1つで長年未解読だった暗号文が51年越しに解読された。
その暗号文は1969年11月にZodiacからサンフランシスコの地元新聞社に送られたもので、340文字のアルファベットと記号が並ぶことから“Z340”と呼ばれ、FBIや暗号の専門家が解読に挑むも長年未解読のままとなっていた。そこで2006年から、アメリカの数学者およびベルギーのプログラマーからなるアマチュア暗号解読チームの3人が独自に開発したソフトウェアで解読に着手。しかし、Zodiacが“PARADISE”の綴りを“PARADICE”と間違えていたり、複数箇所で文字配列のミスがあったりしたことで、これほどまでに時間がかかってしまったという。解読した暗号文は以下の通り(TV番組とは、Zodiacを騙った人物がTV番組に電話出演したこと)。
「みなさん、私を捕まえようと楽しんでくれているかな。TV番組に出演して私のことをペラペラと喋っていたのは私ではない。私との違いは、ガス室を恐れていないという点だ。なぜならパラダイスに行くのが早まるだけであり、今なら私のために働いてくれる奴隷の数も足りている。他の連中は、手ぶらで天国に行くから死を恐れるのである。だが私は恐れない。私の新しい人生は、天国で死を迎えることでより裕福になるのだ」
残念ながら“Z340”の解読はZodiacの逮捕に繋がらないというが、今回の暗号解読チームの3人が1970年4月に送られてきた未解読の13文字の暗号文も解読し、逮捕の糸口を見つけてくれることを願いたい。
#Breaking – Our statement regarding the #Zodiac cipher: pic.twitter.com/cJCtlDEbMw
— FBI SanFrancisco (@FBISanFrancisco) December 11, 2020