今知っておくべきアングラなストリートレーベル5選

世界中がここまでストリートウェアに湧いた時代が過去にあっただろうか。その勢いは未だとどまるところを知らないといった感じだが、その反面、ストリートという言葉が以前よりも広義な意味を持つようになると同時にストリートと形容されるブランドも乱立し、それぞれにスポットライトが当たりづらくなっている。無論、現在のシーンを牽引しているのは〈Supreme（シュプリーム）〉、〈BAPE®〉を筆頭としたメインストリームにいるビッグカンパニーだが、筆者はストリートの純粋な面白さとはもっとコアなところにこそ存在すると思っている。そこで『HYPEBEAST』はまだ発掘されていないブランドの中から、興味深いコンセプトを掲げたり、ユース世代をターゲットとする新鋭ブランドを独自の目線でピックアップしてみた。

Tony Camaro

ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト Tony Camaro（トニー・カマロ）は、自身の名を冠したアパレルレーベルから“Allergy”と題した2017年春夏コレクションを発表した。彼は秋冬シーズンの“Visions”に続く最新コレクションでも独特な色使いやカッティングでクリエイティブな一面を見せており、上のルックブックを見ていただければ、彼が傾倒するジャズ、パンク、ストリート、グラフィッティの要素が巧みに反映されていることがおわかりになるだろう。ファッションデザイナーではなく、アーティストだからこそ生まれる新鮮な発想は、今後のストリートに新たなエッセンスを付与してくれるはずだ。

Instagram: @tony.camaro
Shop URL: tonycamaro.com/shop

Against Lab

〈Against Lab（アゲインスト ラボ）〉はクリエイティブ集団としての機能を持ち合わせるマレーシア発のストリートブランドだ。彼ら曰く、〈Against Lab〉ではファッションという垣根を越え、コレクションを通して日々の生活におけるコミュニケーションツールのような役割を目指しているという。“What is Paradise?”と題した同コンテンポラリーブランドの最新コレクションでは、限りない男性の快楽と満足感を表現し、シャツ、Tシャツ、ベルト、その他アクセサリーにエデンの園をイメージしたフローラルグラフィックを落とし込んでいる。最近ではジャカルタを拠点とする〈Public Culture（パブリック カルチャー）〉、〈PARADISE YOUTH CLUB（パラダイス ユース クラブ）〉などにも注目が集まっていることを踏まえると、ストリートの次なるホットスポットは東南アジアなのだうか。

Instagram: @againstlab
Shop URL: againstlab.com/shop

Spektal

オリジナリティあふれるデザインと繊細なディテールワークで業界人から注目を集める新鋭UKブランド、それが〈Spektal（スペクタル）〉だ。彼らは自身のコレクションに高品質な英国素材を採用し、モダンかつミニマルなデザイン/シルエットを伝統的な技術で表現している。また、〈Spektal〉のアパレルは厳選された国内のファクトリーにおいて小ロットで生産されており、ユニークな識別番号がハンドスタンプされているのも特徴だろう。ストリートという確立されたカテゴリーの中でブランドそのものに個性を持たせ、ぶれない哲学を掲げる〈Spektal〉はコレクション路線にも日本にあるようなライフスタイルレーベルにも舵を切れる立場にあるだけに、今後の展望が楽しみなブランドのひとつだ。

Instagram: @spektal_garments
Shop URL: spektal.com

Nervous Juvenile

ロサンゼルスのハードコアシーンで産声をあげた〈Nervous Juvenile（ナーバス ジュベナイル）〉は、カルチャーに宿るエネルギーをそのままアパレルへと注ぎ込むアップカミングレーベルだ。国内では『BEAMS』で取り扱いがあるため、当記事で挙げた他のブランドよりも知名度は高そうだが、彼らのアパレルは縫い付けのパッチやエッジの効いた刺繍、大々的なプリントなど、遊び心のあるデザインが魅力。そのアングラ感もたまらず、ユースカルチャー真っ只中の若者にこそおすすめしたいブランドだ。

Instagram: @nervousjuvenile
Shop URL: nervousjuvenile.com

PHNTM SRC

『HYPEBEAST Forum』に現れ我々も存在を知ることとなった〈Phntmsrc〉は、カリフォルニア・パームデールを拠点とするストリートウェアブランドである。〈Phntmsrc〉の面白みは、言葉で説明するまでもなく、彼らが強く影響を受けるポップカルチャーのサンプリング。映画、アニメ、ビデオゲームなどにヒントを得るスタイルは、90年代や00年代初頭のブートレグを彷彿させ、古着文化への造詣の深さが伺える。過去には〈HELLBOUND CLUB〉や〈CityApproval〉とコラボレーションしており、今後の展望にも期待したい。

Instagram: @phntmsrc
Shop URL: phntmsrc.com

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