プロスケーター Brian Anderson がゲイであることをカミングアウト

スケート史に残る告白を『Vice Sports』がドキュメント

スポーツ
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スケートボーダー「Brian Anderson(ブライアン・アンダーソン)」。1999年には、スケートボーディングワールドカップでの優勝と、『Thrasher』によるスケーター オブ ザ イヤーの称号も手にした世界的スケートボーダーである彼が、ゲイであるとカミングアウトした。

スケートフィルモグラファー「Giovani Reda」がディレクションした今回の『Vice Sports』のドキュメンタリーにて、Brianは同性愛者であることについて語っている。「Alex Olson」や『Thrasher』の編集長「Jake Phelps」をはじめ、家族や友人たちには既に打ち明けていたが、長い間公表することが怖かったと話す彼。幼い時からゲイを蔑むフレーズを耳にするたびに、自分がゲイであることを明かすのは危険だと感じていたと話す。しかし彼からカミングアウトされた時、「ゲイだからなんだ? 何が問題なんだ? 性の悩みなんか忘れちまえ。俺たちスケーターだろ? 君が滑る、俺も滑る、みんな滑る、それでいいじゃないか。誰が気にするんだ?」という反応をしたのは編集長Phelps。打ち明けた時には全ての友人が彼のカミングアウトを驚きつつもサポートしたという。

しかし、スケートボーディングに限らず、多くのスポーツは男性的でいることでそのコミュニティに受け入れられる現実があり、ホモフォビアという概念も世界中に存在している。「Alex Olson」でさえ、過去のインタビューで70年代のファッションやディスコミュージックへ傾倒したことでスケートコミュニティーにフェミニンだとからかわれたと語っているが、その男性的でないことを否定する根強い概念が、Brianのカミングアウトをこれまで阻んできたのだ。

ストレートではないことで他人に偏見を抱かれるというのは、ストレートでいるよりはるかに強い精神力を要することだ。プロスケーターとして既に名を馳せていた15年前のBrianでさえ、その重圧に怯えていた。しかし持ち前のダイナミックで見ごたえのあるスケーティングによって数々の成功をおさめ、世界的スケーターとして、また一個人として自信をつけていったBrian。本当の自分を明かせないフラストレーションや憤りが、自分をよりワイルドなスケートスタイルへ導いたのかもしれないとも語っている。プロスケーター「Guy Mariano」はインタビューにて、Brianがゲイであろうとなかろうと、彼の成功、彼が素晴らしいスケートボーダーだという事実は変わらないし変えようがない。彼のファンも、彼に対する思いを変わらず持ってくれるといいね、とコメントしている。

カートゥーン“ポパイ”に出てくる「ブルート」のような人物が幼い頃からタイプだったと笑うBrianは、「スケーターにそんな奴はいないし一緒に滑っているスケーターをそんな目で見たことはないよ(笑)。だから逆に気が楽だったんだ。」とも話している。彼のカミングアウトに勇気付けられ、感銘を受ける若者たちは世界中にいるはずだ。スケートコミュニティーに大きなインパクトを与えたこのドキュメンタリーを機に、スケートシーンと今後の世代が偏見のないコミュニティーを培っていくべきなのは言うまでもないだろう。

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