Back to Film:Nujabes の音楽を愛する人々が集った2024年の flows を振り返る
Nujabes Metaphorical EnsembleとNABOWAの2組が捉えたイベント当日の貴重なオフショットをお届け
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使い捨てカメラ “写ルンです”を用いて、デザイナーやアーティストたちの日常を切り取る『Hypebeast』の不定期企画 “Back To Film”。今回は2024年12月29日(日)に恵比寿『The Garden Hall』で開催されたNujabes(ヌジャベス)の音楽を未来へと紡ぐ音楽会「flows」をフィーチャー。出演アーティストのNujabes Metaphorical Ensemble(ヌジャベス メタフォリカル アンサンブル)とNABOWA(ナボワ)が撮影を担当してくれた。当日のパフォーマンスや舞台裏の様子を捉えた貴重なショットの数々を、レポートとともにお届けする。
「flows」はNujabesの生誕50年の節目に、彼の音楽を未来への継承すべく2023年よりスタート。第2回を迎えた2024年の「flows」は、「Hydeout Productions(ハイドアウト・プロダクションズ)」によるプロジェクト Nujabes Metaphorical Ensembleを筆頭に、京都を拠点とする4人組インストゥルメンタル・バンド NABOWA、米西海岸を代表するDJ マーク・ファリナ(Mark Farina)、世界中の名だたるフェスからオファーの絶えないPowder(パウダー)、Nujabes関連の作品でお馴染みのFive Deez(ファイヴ・ディーズ)のメンバーであるペース・ロック(Pase Rock)、オランダの名門レーベル「Rush Hour(ラッシュアワー)」からのリリースで海外でも人気の寺田創一、ブラックミュージックをメインにジャンルレスなDJプレイで現行の東京クラブシーンで注目を浴びるnasthug、エクスペリメンタル・ソウルバンド WONKのボーカリスト 長塚健斗、キャリア40年を超える日本が誇る至宝 DJ NORIといった、多彩なジャンルの実力派アーティスト/DJが出演した。
イベント当日、ホワイエでは長塚健斗のDJからスタート。まだオープン間もない時間帯ということもあり、遅めのビート中心の選曲で徐々にフロアをあたためていく。ホールではジャーマンロックのパイオニアであるマニュエル・ゲッチング(Manuel Göttsching)の名曲 “E2-E4”が流れる中、NABOWAの面々が登場。結成20周年を迎えた彼らはこの日を最後にドラムの川上優が脱退し、2025年から活動休止することが事前にアナウンスされていた。現メンバーでのラストライブでは、2019年のアルバム『DUSK』からタイトル曲と“PARK ON MARS”を演奏し、そのままNujabesのクラシック “Luv (sic)pt2”のインストカバーを披露。このサプライズに、観客は一気にヒートアップ。その後はNABOWAを代表する楽曲の数々を「flows」のムードにあわせたアレンジで披露し、20年の集大成となるパフォーマンスを締め括った。ネオ・ソウルからジャズ、ヒップホップ、ダブ、アンビエント、現代音楽などのさまざまな音楽性を内包した唯一無二のサウンドは、長年のファンはもちろん、この日彼らを初めて観た観客の心に響いたはずだ。
NABOWA Set List
DUSK
PARK ON MARS
Luv (sic)pt2
RIE
bike rice
bend
KUROMANI
pulse aulleria
Swan
続けてホールではマーク・ファリナが自身のシグネチャーである“Mushroom Jazz”セットをNujabesの楽曲を織り交ぜながらプレイ。ちなみに、この日の物販ではNujabesの作品のみで構成されたミックステープ『Tribe Sampler Mushroom Jazz』の先行販売も行われた。その後のホールは寺田創一が多幸感あふれるライブセットで、Powderがディスコ〜ハウスを中心とした幅広い選曲でフロアを盛り上げる。一方、ホワイエではペース・ロック、nasthug、再びマーク・ファリナ、そしてDJ NORIが独自の選曲で会場を沸かせた。
そして「flows」のヘッドライナーとして、Nujabes Metaphorical Ensembleが最後に登場。今回のメンバーは、米ニューヨークを拠点とするサックス奏者/マルチ楽器奏者/作曲家/編曲家のパトリック・バートリー(Patrick Bartley)、世界的に活躍するキーボーディスト BIGYUKI(ビッグユキ)、日本のJAZZY/ MELLOW HIP HOPシーンの立役者であるDJ/トラックメーカーのDJ Chika aka Inherit、水曜日のカンパネラのメンバーとしても活動するプロデューサー/トラックメイカー/作詞家/作曲家のケンモチヒデフミという鉄壁の布陣。イントロの即興から始まり、“Reflection Etarnal”、“Flower”、“Horn In The Middle”といったNujabesの遺した楽曲群が世界屈指のプレイヤーたちによって新たな命を吹き込まれ、新鮮な響きを奏でていく。インストの楽曲が続いたのち、MCにペース・ロックを迎えて“Blessing It”、“The Sign”、“Yes”を立て続けに披露。そのまま“Beat Laments the world”、“Luv(sic) 1〜3”、“Other side of phase”などの耳慣れたビードが会場を揺らし、ペース・ロックも再び登場して一気にクライマックスへ。“Ordinary Joe”、“Horizon”、“Firefly”、“The Final view”などの美しい旋律で特別な一夜を締め括った。
Nujabes Metaphorical Ensemble Set List
intro
Reflection Etarnal
Flowers
Horn In The Middle
Music is mine
Blessing It(feat. Pase Rock)
The Sign(feat. Pase Rock)
Yes(feat. Pase Rock)
Beat Laments the world
Luv(sic) 1〜3
Other side of phase
Latitude(feat. Pase Rock)
It’s about time(feat. Pase Rock)
Old light(feat. Pase Rock)
Ordinary Joe
Horizon
Firefly
The Final view
イベント全体を振り返ると、Nujabesをリアルタイムで聴いてきた往年のファンから若いリスナーまで、幅広い年代の客層で賑わっている様子が印象に残り、彼の音楽が世代を超えて愛されていることがあらためて実感できた。2つのエリアを行き来しながら、リスニングやダンスに没頭したり、美味しいフードやお酒を楽しんだり、自分のペースで時間を過ごせるのもこのイベントならでは。終始心地良いヴァイブスに溢れた第2回目の「flows」。もし今回の来場が叶わなかった方は、ぜひ次回に参加してみてほしい。
また、Nujabesの15周忌を追悼するイベント “A TRIBUTE TO NUJABES The 15th anniversary of his departure”が今週末よりスタート。全国4都市を巡回する本イベントは、Nujabes Metaphorical EnsembleからDJ Chika a.k.a. Inheritやケンモチヒデフミが参戦し、会場毎に異なるゲストを迎える。なお、ツアー初日となる2月21日(金)の東京公演の前売りチケットは既にソールドアウトだが、当日券も若干数販売予定のため、会場へと足を運んでみてはいかがだろうか。
【東京公演】
A TRIBUTE TO NUJABES
The 15th anniversary of his departure
haruka nakamura “Pray For Nujabes”
日程:2025年2月21日(金)
会場:WALL&WALL
住所:東京都港区南青山3-18-19 フェスタ表参道ビルB1F
OPEN 23:00
料金:前売 4,000円(枚数限定/優先入場)/ 当日 5,000円
チケット:ZAIKO
出演:
haruka nakamura – LIVE & DJ -
巨勢典子 – LIVE -
DJ Chika a.k.a. Inherit
DJ Ryow a.k.a. Smooth Current
Marcus D
ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)
橋本徹(SUBURBIA)
Guinness & Tribe crew(FK, Yan, Awane, Mana-Bu, TSU)
Libyus Music crew(NoSideMaster, Malus)
【京都公演】
A TRIBUTE TO NUJABES
The 15th anniversary of his departure
日程:2月22日(土)
会場:WORLD KYOTO
住所:京都府京都市下京区西木屋町四条上ル真町97 イマージアムビルBF
OPEN 18:00 / CLOSE 22:00
料金:前売 3,000円(枚数限定/優先入場)/ 当日 3,500円
チケット:『イープラス』
出演:
DJ Chika a.k.a. Inherit
DJ SHOTA
& more
【大阪公演】
A TRIBUTE TO NUJABES
The 15th anniversary of his departure
日程:2月23日(日)
会場:CIRCUS OSAKA
住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目8−16 中西ビル2F
OPEN 18:00 / CLOSE 22:00
料金:前売 3,000円(枚数限定/優先入場)/ 当日 3,500円(*別途1ドリンク代700円必要)
チケット:『ZAIKO』『イープラス』
出演:
DJ Chika a.k.a. Inherit
DJ SHOTA
CM SMOOTH
FUJIFIL TER
【福岡公演】
A TRIBUTE TO NUJABES
The 15th anniversary of his departure
日程:2月24日(月・休)
会場:KIETH FLACK
住所:福岡県福岡市中央区舞鶴1-8-28 マジックスクエアビル1/2F
OPEN 18:00 / CLOSE 22:30
料金:前売 3,000円(優先入場/先着順)/ 当日 4,000円
チケット:LivePocket
出 演:
DJ Chika a.k.a. Inherit
DJ SHOTA
CHIO
MASUO
Ryo.sh
SOHKI(Special 10 Records)
NUJABES VINYL EXHIBITION:YOSUKE NISHIDA(como es)