フューオフで作られた Rolls-Royce のアルカディア・ドロップテールって?

15〜20人程度のエンジニアや職人たちが4年近い歳月をかけてようやく作り上げたという

オート
1,890 Hypes

コーチビルディングとは?

Rolls-Royce(ロールス・ロイス)」がコーチビルディングの最新作アルカディア・ドロップテール(Arcadia Droptail)を発表した。コーチビルディングとは聞き慣れない言葉かもしれないが、ひとことでいえばクルマ界のオートクチュールのようなもの。実際のところ、一品モノの誂え服としてファッション界の頂点に位置するオートクチュールとロールスロイスのコーチビルディングの間には、いくつもの共通点がある。

ファッションも自動車も、いまや大量生産が当たり前。でも、そうした時代の流れに背を向け、敢えて一品モノ(もしくはごく少数が製作される作品)にこだわっているのがオートクチュールであり、コーチビルディングである。当然、コストは既製品の何百倍も何千倍もかかる。でも、既製品では生み出し得ない優れたクォリティとデザイン性がオートクチュールやコーチビルディングの魅力のひとつ。そして何より、決まったお客さまのために作られるため、既製品では考えられないくらい個性が強調されているのも、オートクチュールとコーチビルディングに共通している点だ。

オートクチュールが、本来はパリ・オートクチュール組合に加盟するごく少数のブランドにのみ使うことが許された言葉であるのと同じように、コーチビルディングを手がける自動車メーカーも世界中にごくわずかしかない。なにしろ、巨大な機械を使って大量生産されるのが現代の自動車である。それを、熟練の職人たちが手縫いで作るオートクチュールと同じように、特別に誂えて作るのがどれくらい難しいことかは容易に想像できる。

その歳月と費用は?

今回発表されたアルカディア・ドロップテールの場合、15〜20人程度のエンジニアや職人たちが4年近い歳月をかけてようやく作り上げたという(最盛期には25名ほどが関わった模様)。その価格は例によって公表されていないものの、一部には40億円との推測もあるほど、一般的なクルマとはケタ違いの存在である。なお、コーチビルディングには、完全な一品モノのワンオフと、基本デザインを数台もしくは10数台程度で共有するフューオフの2種類がある。アルカディア・ドロップテールは後者のフューオフで、合計4台ほどが製作されるドロップテール・シリーズの1台。それでも、同じボディ・パネルを用いるクルマがこの世に4台しか存在しないことがすでに信じられないし、その4台にしてもボディカラーやインテリアの仕立てはまったくといっていいくらい異なっている。つまり、顧客の個性を表現する余地は存分に残されているわけで、それこそコーチビルディングの醍醐味といえる。

アルカディア・ドロップテールの内外装

事実、アルカディア・ドロップテールは、すでに公表されている他の2台のドロップテールとは異なり、とてもシックで落ち着いたデザインでまとめられていた。ボディカラーのホワイトは、「シンプルなものが好き」という注文主の好みで決められた。ただし、このホワイトもアルカディアのために特別に調合されたもので、よく見ると、ペイントのなかにブルーやオレンジに輝くフレーク(メタリックカラーやパールカラーを作るための光を反射する小さな素材のこと)が含まれていて、光の加減によって色味が変わって見えたり、ボディパネルの抑揚を強調する効果をもたらしている。その、ピュアでありながら深みのある味わいこそ、アルカディア・ドロップテールを象徴する特徴のひとつだ。
フューオフで作られた Rolls-Royce のアルカディア・ドロップテールって?  Arcadia Droptail

ホワイトとブラウンで統一されたインテリアもシンプルかつシック。でも、そこから言葉では言い尽くせないクォリティ感とオーラが感じられる。これもまた、ロールスロイスのコーチビルディングならではといえるだろう。とりわけ目を奪われるのがキャビン後方のウッドパネル。木目を斜めにつなぎあわせたこのパネルの製作には、職人たちが合計で8000時間を費やしたというほど手の込んだもの。それも、よく見れば表面が微妙に膨らんでいたりくぼんでいたりする。これほど繊細なウッドパネルを立体形状に仕上げるのに、どれだけの技術と労力が費やされたのか、想像もできない。

オートクチュールがそうであるように、ロールス・ロイスのコーチビルディングもまた、自動車メーカーであるロールス・ロイスと注文主が共同で作り上げる芸術作品に近い存在。その意味でいえば、試されているのは顧客のセンスと創造力であり、それを実現するロールス・ロイスの経験と技術力といえるかもしれない。

Read Full Article
テキスト
Writer
Tatsuya Otani
エディター
Noriaki Moriguchi / Hypebeast
この記事を共有する

次の記事を読む

米フロリダのマイアミビーチ警察がロールス・ロイスのパトロールカーを導入
オート

米フロリダのマイアミビーチ警察がロールス・ロイスのパトロールカーを導入

採用戦略の一環として

新たなる魔法の絨毯 Rolls-Royce Spectre を都内で駆る
オート 

新たなる魔法の絨毯 Rolls-Royce Spectre を都内で駆る

超高級電動スーパークーペで、首都高速道路と都内を90分ほど走った感想

新時代の到来を予感させる Rolls-Royce のラグジュアリーな EV スーパークーペ Spectre
オート 

新時代の到来を予感させる Rolls-Royce のラグジュアリーな EV スーパークーペ Spectre

Presented by Rolls-Royce
超高級車メーカーとして名高い「Rolls-Royce」が初の本格EV車をリリース


ドレイクのために作られた3種類の Air Jordan 20 PE をチェック
フットウエア

ドレイクのために作られた3種類の Air Jordan 20 PE をチェック

ネイビー、ネイビー/ホワイト、ゴールドの3カラーがお目見え

Awich の愛娘 Toyomi による10代オンリーのパーティー TOYOMI’S PROM が初開催
ミュージック 

Awich の愛娘 Toyomi による10代オンリーのパーティー TOYOMI’S PROM が初開催

「次世代を担う若者同士(自分達世代)のコミュニティーを作ること」を目的に、YENTOWNのPETZやGrace Aimi、NENE、MARZY、MoEPiKAを招聘した“10代のためのパーティー”が始動

マシュー・ウィリアムズが Nike との最新コラボフットウェア TRD RUN 6 の発売を予告
フットウエア

マシュー・ウィリアムズが Nike との最新コラボフットウェア TRD RUN 6 の発売を予告

〈Givenchy〉で発表したTK-360やTK-MXを彷彿とさせるソールが特徴の1足

押さえておきたい今週の必読記事5選
ファッション

押さえておきたい今週の必読記事5選

〈FAF〉2024秋冬コレクションのプレゼンテーションやZ世代から圧倒的な支持を集める新鋭アーティストLANAのインタビューなど先週の注目トピックをおさらい

今週の“行かなきゃ損する”イベントガイド | What's Hot?!
ファッション

今週の“行かなきゃ損する”イベントガイド | What's Hot?!

3月30日(土)までに開催される必見イベントを厳選してお届け

MINEDENIM が nonnative とのコラボデニムジャケットを発売
ファッション

MINEDENIM が nonnative とのコラボデニムジャケットを発売

1940年代に製造されたヴィンテージの〈Levi’s®〉S506XXの風合いはそのままに、シルエットはややゆとりのあるカッティングでアップデート


AlphaTheta が東京・原宿の MIL GALLERY JINGUMAE にてポップストアを開催
ミュージック

AlphaTheta が東京・原宿の MIL GALLERY JINGUMAE にてポップストアを開催

CYKのKotsuや「Rainbow Disco Club」のKikiorixらによるDJパフォーマンスも

atmos がこの春に推すリリースアイテム 6 選
フットウエア 

atmos がこの春に推すリリースアイテム 6 選

Presented by Atmos
〈adidas Originals〉人気の定番 SAMBAのソールを厚底にしたSAMBAEの『atmos』別注モデルをはじめ、〈ASICS SportStyle〉GEL-NYCの新色など、今週以降発売の注目スニーカーを総ざらい

NewJeans のダニエルが CELINE のグローバルアンバサダーに就任
ファッション 

NewJeans のダニエルが CELINE のグローバルアンバサダーに就任

BLACKPINKのリサ、BTSのV、俳優のパク・ボゴムらに続く抜擢

KAMIYA から blackmeans とのコラボレザーピースが発売
ファッション

KAMIYA から blackmeans とのコラボレザーピースが発売

特殊加工で⻑年着込んだような色抜けを表現したレザーバイカージャケットとレザーパンツを展開

世界初の『ドラゴンボール』テーマパークがサウジアラビアに建設へ
エンターテインメント

世界初の『ドラゴンボール』テーマパークがサウジアラビアに建設へ

東京ドーム約10個分の敷地面積を誇るパーク内にはカメハウスやカプセルコーポレーションなど『ドラゴンボール』の世界を忠実に再現

More ▾
 
ニュースレターに登録して、“最新情報”を見逃さないようにしよう。

購読ボタンをクリックすることにより本サイトの利用規約プライバシーポリシーに同意するものとします。