IITTALA が新クリエイティブ・ディレクターを迎えた初のコレクションをローンチ

新クリエイティブ・ディレクター、ヤンニ・ヴェプサライネンの手掛けた“Iittala PLAY”コレクションでは、現代のライフスタイルに合う多用途性と豊かな色彩、遊び心に溢れたアイテムを展開

デザイン 

フィンランド発のデザインブランド「iittala(イッタラ)」は新クリエイティブ・ディレクターにヤンニ・ヴェプサライネン(Janni Vepsäläinen)を迎え、大胆なリブランディングを実施。2024年2月を機にブランドロゴをリニューアルし、3月には彼女の手掛けた初コレクション “Iittala PLAY(イッタラ プレイ)”がローンチする。

「iittala」は、1881年にフィンランド南部のイッタラ村でガラス工場として創業。同ブランドの卓越したガラスづくりと独自性のあるデザインのプロダクトは多くの人々の支持を集め、モダニズムや機能主義が隆盛となる1930年代から1940年代にかけて国際的に一躍有名に。以来、長年にわたってデザイン界において確固たる地位を築きあげてきた。そんな「iittala」が2023年に新クリエイティブ・ディレクターを迎え、これまで培ってきた豊かな歴史と伝統を尊重しながら、新たな時代のアートとデザイン、クラフトマンシップの融合を目指していく。

今回のリブランディングでまず注目したいのが、刷新されたブランドロゴ。「iittala」は1881年の創設以来140年以上にわたり、その時々の時代背景やブランドの状況、デザインの方向性や文化的な影響などを反映し、さまざまなロゴを採用してきた。新たなロゴはグラフィックデザイナー アレクシ・タンミ(Aleksi Tammi)が手掛け、彼がタイポグラファーのヨーラン・セーデルストロム(Göran Söderström)とともに制作した“Aino(アイノ)”というフォントを用いて、「iittala」から「IITTALA」の表記に変更。デザインは特に1892年のロゴからインスピレーションを得ているという。“T”の文字が組み合わされた部分はブランドの過去の歴史的なルーツを表し、“A”の文字を中心に据えて美的なバランスをキープ。また、創業年の“1881”の数字を組み入れることで、ブランドの豊かな歴史とガラスのものづくりの伝統への敬意を表現した。併せて、143年目を迎えるブランドのカラーとして、「IITTALA」のクリエイティビティの源である、窯で溶融しているガラスの鮮やかな色 “ファイアーイエロー”を採用。すっきりとした美しい新ロゴは今後さまざまな素材で使用され、これまで商品につけられてきた(i)ロゴのシールは、地球環境への配慮から廃止される予定だ。

「IITTALA」のクリエイティブ・ディレクターに就任したヤンニ・ヴェプサライネンは、フィンランドのラハティ応用科学大学インスティテュート・オブ・デザインで学士号を、英国ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士号を取得後、〈Givenchy(ジバンシィ)〉〈Alexander McQueen(アレキサンダー・マックイーン)〉〈Simone Rocha(シモーネ・ロシャ)〉〈The Row(ザ・ロウ)〉といった一流ファッションブランドで経験を積む。前職の〈JW Anderson(JW アンダーソン)〉ではシニア・ニットウェア・デザイナーを務め、年間最優秀ニットウェアコレクションに送られるロロピアーナ賞や米国ファッションデザイナー協議会での表彰など、数々の賞を受賞。彼女が手掛けた作品で有名なのは〈JW Anderson〉のカラフルなカーディガン。ハリー・スタイルズ(Harry Styles)が着用したことでコロナ禍の2020年に爆発的にヒットしたこの一着は、ロンドンの『ヴィクトリア&アルバート博物館』に寄贈された。現在ヘルシンキに住んでいるヤンニは、エスポーの「Fiskars(フィスカース)」本社とイッタラ村のガラス工場にアトリエを構え、日々クリエーションに邁進。彼女は新生「IITTALA」のビジョンについて、以下のように語る。「私は、今までのIITTALAでは想像もしなかったような体験を提供していきたいです。そして革新的で大胆なデザインブランドというアイデンティティを強固なものにしていければと思っています。クラフトマンシップや革新性、アーティスティックなコラボレーションといった取り組みを通して、新しいクリエイティブな世界をご覧いただけることを楽しみにしています」

「IITTALA」の新たな取組みの第一歩として、ロンドンを拠点に活動する実験的なサウンド&ビジュアルアーティストのダムゼル・エリシウム(Damsel Elysium)とのコラボレーションを実施。彼女はヤンニや「IITTALA」のガラス工場の職人たちの協力を得て、マウスブローで手作りしたユニークなガラスの楽器やオブジェを制作。このスペシャルなアートピースは、3月にヘルシンキのエスプラナーディ通りにある「IITTALA」のフラッグシップストアにて6アイテム各1点のみ限定販売される予定だ。

そして新生「IITTALA」の幕開けを飾る“Iittala PLAY”は、ヤンニのクリエイティブ・ディレクションのもと、現代のライフスタイルに合うように細部までこだわってデザインされたコレクション。フィンランドが生んだ20世紀を代表する世界的な建築家/デザイナーのアルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)の名言「Don’t forget to play(いつも遊び心を)」にインスパイアされたこのコレクションは、「IITTALA」の遊び心と多彩な姿勢、実験的で先進的なブランドという創業当時のアイデンティティを表現したもの。「今日の暮らしのなかでどういうデザインが好まれているのか」という考えを踏まえ、棚の中にしまい込むのではなく遊ぶように楽しみながら使うことが出来る、所有者の個性に合わせてクリエイティビティを発揮するアイテムを制作。食卓を彩るボウルは、ラーメンやチョップドサラダを盛るのに理想的な大サイズ(19cm:6,050円)、朝食のヨーグルトやフルーツに最適な中サイズ(13cm:4,400円)、罪悪感なく食べられるちょっとしたスイーツやデザートにおすすめの小サイズ(9cm:2,750円)を展開。また、同素材/カラーバリエーションのマグ(4,950円)やディーププレート(5,280円)も揃う。

イッタラ村のガラス工場でマウスブローで手作りされたガラスのベース(22,000円)とデコレーティブボウル(90mm:12,100円、50mm:22,000円)は、“ライトライラック”、“サーモンピンク”、“ライトグリーン”といった幸福感が高まるパステルカラーが大きな特徴。クッキー型のようなシェイプは可愛いだけでなく、陽の光を美しく反射してさまざまな表情を魅せる。ベースには季節ごとの花を生けたり、ボウルにはドレッサーや洗面所の化粧品やブラシ、ペン立てとして使うなど、幅広い用途で活用できる。

本コレクションでは、インテリアのアクセントになるテキスタイルアイテムも登場。使い込むほどに風合いが増し、柔らかくなっていくリネンのテーブルクロス(33,000円)は、ダイニングルームに華やかさをもたらす一枚。ティータオル(3,850円)は、おもてなしの際にパンかごに敷いたり、ディッシュクロスとしても活躍する。その他にもポップな色の組み合わせが目を引くブランケット(33,000円)やクッションカバー(16,500円)、ペーパーナプキン(990円)がラインアップ。さらに、小さな子どもがいる家庭でも安心して使える品質の高いソイワックスを使用したキャンドルが、ラウンド型(8,030円)とオーパル型(9,900円)の2タイプで揃う。これらはあたたかい雰囲気を演出するだけでなく、キャンドルの使用後は容器としてさまざまな用途に使用可能に。サステナブルなギフトとしてもおすすめしたい。

加えて、「IITTALA」の名作にも“Iittala PLAY”の色彩を追加。1936年にアルヴァ・アアルトがデザインし、現在もイッタラ村の工場で作られている“アルヴァ・アアルトコレクション”の代表作であるベース(66,000円)は、木型を使用した140mmのサイズを“ライトライラック”のカラーにアレンジ。木型は熱されたガラスの種が流し込まれるたびに少しずつ燃えていくため、徐々にかたちが変容していき、唯一無二の個性と独特の美しさが宿る逸品に。なお、木型はイッタラガラス工場で働く熟練の木工職人によって作られている。

また、オイバ・トイッカ(OivaToikka)デザインによるバード バイ トイッカ3種もカラフルな色彩にアップデート。レッパイネン(190x165mm:88,000円)は“ライトライラック”のボディに“クリア”のヘッド、トキ(205x165mm:88,000円)は“サーモンピンク”のボディに白いヘッドと“ゴールドブラウン”の長いくちばしを組み合わせ、洗練された佇まいに。子型のフクロウ(75x105mm、71,500円)は、“ライトライラック”を纏い、楽しくハッピーな雰囲気に仕上がっている。

素材やフォルム、色彩がもつ遊び心に溢れた“Iittala PLAY”コレクションは、2024年3月中旬から7月にかけて「IITTALA」の直営店および公式オンラインストアにて展開予定。新たに生まれ変わった「IITTALA」の今後の展開にぜひ注目してほしい。(*本文中の商品価格は全て税込)

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