ジョン・ガリアーノが Maison Margiela のクリエイティブ・ディレクターを退任
後任は未定

ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が10年間務めてきた〈Maison Margiela(メゾン マルジェラ)〉のクリエイティブ・ディレクターを退任することを正式に発表した。メゾンの発表によると、後任は未定だという。
1960年にイギリスの植民地・ジブラルタルで生まれたジョン・ガリアーノは、セントマーチンズ美術学校(Central Saint Martins)で学び、84年にモード科を首席で卒業。その卒業制作 “Les Incroyables”が大きな話題となる。1985年にロンドンコレクションでデビューし、革新的なコレクションを次々と発表していく。1995年には〈Givenchy(ジバンシィ)〉のデザイナーに抜擢され、英国人デザイナーとして初めてフランスのオートクチュールメゾンを率いることに。1996年にはジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferre)の後任として、〈Christian Dior(クリスチャン・ディオール)〉のデザイナーに就任。プレタポルテ部門の売上げを驚異的に伸ばすなど、メゾンの発展に大きく貢献する。しかし2011年2月、パリのカフェで隣に座ったカップルに対して反ユダヤ主義的発言をし、〈Christian Dior〉および自身の名を冠したブランドを解雇される。2014年に〈Maison Margiela〉のクリエイティブ・ディレクターに抜擢され、ファッション業界に復帰。その後10年にわたって同メゾンのクリエーションを統括してきた。今年2月にはパリにある同メゾンの本社でオートクチュール・ラインであるアーティザナル・コレクションを紐解く展示を関係者に向けて開催。同年11月にはその東京版として、“メゾン マルジェラ アーティザナル 2024 エキシビション 東京”を開催し、ガリアーノ本人も来日を果たした。
ガリアーノは自身の『Instagram』に「今日はMaison Margielaに別れを告げる日です」から始まるメッセージを投稿。彼は「私の心は喜びと感謝に溢れ、魂は微笑んでいます。私が夢見た以上に素晴らしい人生を送っているのは、2人の人物のおかげです」と綴り、その人物の名を伏せた上で今後についても言及。「時が来れば、すべてが明らかになるだろう。今はこの場を借りて、計り知れない感謝の気持ちを伝えたい」
〈Maison Margiela〉の親会社である「OTB Group」の会長 レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)はメディアの取材に対し「ジョンと仕事を超えて、尊敬と感謝、深い友情に基づいた関係を築き上げられたことを誇りに思っている。私たちはファッションの歴史に永遠に刻まれるような素晴らしい偉業を共に成し遂げたと思います」とコメントし、ガリアーノの退任は円満な別れであると付け加えた。