環境活動家がモナリザの肖像画にカボチャスープをぶちまける事件が勃発
「芸術と、健康で持続可能な食料への権利のどちらが大切?」
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1月28日(現地時間)、フランス・パリの『ルーブル美術館』の館内に所蔵されているレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の代表作 “モナリザ”の肖像画に、女性2人がカボチャスープを投げつけるという事件が勃発。幸い絵画はガラス板で保護されていたため損傷等はなく、犯行に及んだ女性たちは程なくして警備員に取り押さえられた。
事件当日の様子を捉えた動画には、女性たちがオレンジ色の液体をぶちまけた後、絵画の前で「芸術と、健康で持続可能な食料への権利のどちらが大切?」と叫ぶ姿が映し出されている。彼女たちは「Riposte Alimentaire」という環境保護団体に所属するアクティビストで、この行為は「持続可能な食料のための社会保障を求めるすべての人に有益な運動の始まり」だと位置付けているという。フランスでは、今月中旬から「EU(欧州連合)」による環境規制や燃料税の引き上げに反発した農家の抗議デモが地方都市から拡大しており、今回の騒動もこの流れを受けて起こった事件と言えるだろう。彼女たちは「我々の農業システムは病んでいる。農家は、農作業をしながら死んでいる」とも主張している。
今回のように、環境活動家と自称する人々が気候変動に代表される地球環境問題に警鐘を鳴らすための抗議行動として、名画を標的にした事件が世界各地で発生。過去にはフィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の“ひまわり”にトマトスープ、クロード・モネ(Claude Monet)の“積みわら”にマッシュポテト、ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)の“真珠の耳飾りの少女”に頭を打ち付ける、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の名画 “死と生”に黒い油性の液体をかけるといった事例が確認されている。