Helmut Lang 2024年春夏コレクション
ピーター・ドゥによる新生〈Helmut Lang〉のファーストコレクションは90年代のアーカイブを現代的に解釈したピースが登場
















































〈Helmut Lang(ヘルムートラング)〉は9月8日(現地時間)、ニューヨーク・ファッションウィークにて2024年春夏コレクション “Born to Go”を発表。本コレクションは、今年5月に同ブランドのクリエイティブ・ディレクターに就任したピーター・ドゥ(Peter Do)の手掛けるファーストコレクションとなる。
1990年代から現在に至るまで多くのデザイナーに影響を与えてきた〈Helmut Lang〉であるが、ラング本人は2005年にファッション業界から退き、アーティストとして活躍している。創業者の退任後、「ファーストリテイリング」の傘下になってからは、2018年春夏シーズンに〈Hood By Air(フッド バイ エアー)〉のシェーン・オリバー(Shayne Oliver)を迎えたコレクションを発表したものの、それ以降はとりわけ注目を集めることはなかった。
ショーの数日前、〈Helmut Lang〉は屋根の上の表示灯にブランドロゴを配置したイエローキャブが登場するティザー動画を公開。これは、1998年に〈Helmut Lang〉がファッションブランドとして初めてタクシーに広告を出したことに由来する。ブランド全盛期を想起させる映像から、往年のファンやジャーナリストも今回のコレクションに大きな期待を寄せていた。
コレクション会場の床には、ベトナム・ホーチミン出身の作家/詩人 オーシャン・ヴィオング(Ocean Vuong)の詩から引用した言葉を羅列。この演出は、かつて〈Helmut Lang〉の広告やニューヨークの店舗のインスタレーションを手掛けたジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)へのオマージュと言える。ランウェイでお披露目されたルックには、直線的なシルエットのジャケットやパンツ、コートに鮮やかなピンク、イエローのファブリックをアクセントとして用いたピースや、ティザーに登場したイエローキャブのグラフィックを総柄にしたアイテム、レザーを取り入れたアイテムなど、ラング本人が手掛けていた時期のアーカイブから引用したディテールが多くみられた。全体的にミニマルかつクリーンなデザインに着地した新生〈Helmut Lang〉のファーストコレクションは、モダニズムの復権を静かに宣言したと言っていいだろう。
ブランド:Helmut Lang
シーズン:2024年春夏
日付:9月8日(現地時間)