Nike が New Balance と Skechers を Flyknit の特許侵害で提訴
〈Nike〉が〈New Balance〉を提訴したのは今回が初めて
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〈Nike(ナイキ)〉が、〈New Balance(ニューバランス)〉と〈SKECHERS(スケッチャーズ)〉をFlyknitの特許侵害で提訴したことが明らかに。
『Complex』の記事によると、〈Nike〉は〈New Balance〉に対して、Flyknitの特許を侵害しているとされるデザインが“少なくとも”21点あるということと、〈SKECHERS〉のニットシューズ数点が同様に特許侵害しているという主張で、それぞれのブランドを提訴したという。
2012年に〈Nike〉が発表したFlyknitは、軽量で耐久性のある糸を、シームレスなアッパーに編み込むといったシューズの製作技術だ。同社は、この技術により廃棄物を60%削減することに成功しており、往来のシューズと比較して軽量化を実現したという。Flyknitは、環境問題に配慮しているだけでなく、スポーツやアクティビティなど、さまざまなシーンに合わせてシルエットを変化させることが可能な柔軟性も備えており、2012年9月より複数の特許を取得している。
〈Nike〉が他ブランドを特許侵害の疑いで訴えたのは、今回が初めてではない。同社は、2020年1月に〈PUMA(プーマ)〉を、2022年8月に〈adidas(アディダス)〉を訴訟し、今年1月からはアスレティックウェアブランド〈lululemon(ルルレモン)〉を相手取っている。〈Nike〉は、以前にもFlyknitの特許侵害で〈SKECHERS〉を訴えたが、〈New Balance〉を提訴したのは今回が初めてとなる。裁判所に提出した書類の中には、同社は今年1月に和解するために〈New Balance〉に連絡をしたが、“侵害行為の範囲をエスカレートさせただけだ”と返答があったという。
今回の件に関して、〈New Balance〉は、〈Nike〉が特許の境界を踏み越えた行為を行っているとして「New Balanceは競合他社の知的財産権を十分に尊重しているが、Nikeは何十年も業界で使用されてきた伝統的な製造方法によってフットウェアをデザインし、製造する独占的な権利を所有していない」と述べ、続けて「私たちは、法的範囲を超えて特許を行使しようとするNikeの試みに対して、断固として身を守ります」と公式な声明を発表した。なお、〈SKECHERS〉は現時点では今回の訴訟について声明を発表していない。
〈Nike〉は〈New Balance〉と〈SKECHERS〉が該当の製品の販売を中止し、金額を提示せずに“損害賠償の裁定”を要求している模様。今後の動向を注視しておこう。