Banksy がウクライナを支援するために製作した作品 50点を抽選販売
当選者は約83万円でお買い上げいただくとウクライナを支援できる
11月に戦火のウクライナで7点のグラフィティを公開した覆面アーティストのBansky(バンクシー)は、ウクライナを支援するための新たな秘策を公開した。
12月10日(現地時間)に投稿されたBanksyの公式『Instagram』によると、自身の作品50点を販売し、売り上げのすべてを停電対策の発電機やガスヒーター、救急目的の車両の購入費などに充てると発表。集まった資金は紛争の影響を受けた民間人に支援を提供する国際的なチャリティ団体「Legacy of War(レガシー・オブ・ウォー)」を通じ、送られるという。
ダンボールと思われる画材の表面には“壊れやすい”という意味の単語“FRAGILE”が中央に記され、その左下に文字を引っ掻きながら落ちる白いネズミが描かれている。この単語の頭の“F”と“R”をネズミが爪で引っかいたように削ることで“機敏な〜”を意味する単語“AGILE”に変えている。
「Legacy of War」財団のCEOであるGiles Duley(ジャイルズ・デュレイ)氏は声明で「このアートワークの販売により集まった資金で、私たちはすぐに新しい救急車と支援車両を購入する予定です。ドンバスでは、障害者、高齢者、民間人の避難を継続するために、これらの車が必要です。また、電気なしで厳しい冬を迎えるコミュニティに発電機、ガスヒーター、太陽光発電などを送る予定です。そして、キエフに居る女性やLGBTQコミュニティのためのシェルターへの支援も継続できるようになるでしょう」と述べている。
そしてBanskyは「ウクライナでは、Legacy of Warのチームが、爆撃を受けた建物にいる絶望的な人々に医療や暖房、きれいな水を供給し、そして親身になって世話をする様子を見てきた。また、彼らは私に救急車を1台貸与してくれた。私が建物に絵を描いている時、現地のお婆さんに見つかり、怒って警察に通報された時、この車が非常に役に立だったのだ。私がすべきことは、少なくとも使用した救急車のナンバープレートを交換するための資金を調達することだと思う……」と意味ありげなコメントを出している。
また「Legacy of War」は「製作過程でBanskyが全てのプリントの一部を鋭いカッターで工作するため、現物は写真のものとは若干異なることをBanksy本人よりご指摘いただきました。しかしひとつひとつがオリジナルでユニークなものであります」と注意点を付け加えている。
各スクリーンプリントにはサインとシリアルナンバーが入り、木製のフレームにフロートマウントされる。ひとり1枚限りで価格は5000ポンド(約83万円)となっており、購入希望者は「Legacy of War」の特設サイトより登録が必要とのこと。登録期限は12月16日午後12時(現地時間)に終了する。