ジェームス・ウェッブ望遠鏡が捉えたこれまでで最も鮮明な“創造の柱”の画像を公開
濁った茶色のガスと塵の中にある若い星は、生まれてからまだ数十万年しか経っていないと推定されている
へび座の方向に位置し、星々が続々と生まれているとされるM16(わし星雲)の中にある巨大な星形成ガスと塵の領域 “The Pillars of Creation(創造の柱)”の最新画像が「NASA(アメリカ航空宇宙局)」のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって捉えられ、公開された。
宇宙の最も象徴的なシーンの1つとされるこの領域は、1745年にスイスの天文学者 Jean-Philippe Loys de Chéseaux(ジャン・フィリップ・ロワ・ド・シェソー)によって発見され、1995年にハッブル望遠鏡によって初めて観測された。この巨大な水素分子の柱は、地球から約6,500光年という途方もない距離にあり、その大きさは想像を絶するくらい巨大なもの。最も左にある柱だけでも4光年の長さがあり、本体から突き出ている小さな噴流のようなものでも太陽系よりも大きなサイズだという。
1995年のオリジナル画像は、2014年にさらなる天体の詳細と可視光を明らかにする改良型の画像に更新されていたが、このジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡最新の画像によって、濁った茶色のガスと塵を切り裂き、星が主系列星に形成される前の段階であることを明らかになったようだ。また、これらの若い星は、生まれてからまだ数十万年しか経っていないと推定されている。
「NASA」によると、“The Pillars of Creation”を新たに捉えたことで、宇宙の研究者はこの領域で新たに生まれた星の数や、ガスやダストの量をより正確に把握し、星形成のモデルを見直すことができるようになるという。「やがて、何百万年もの間に星がどのように形成され、塵の雲から飛び出してくるのか、より明確な理解ができるようになるでしょう」とコメントしている。