スミソニアン博物館が1840〜1920年代の黒人写真家の作品286点を新たに所蔵品に追加
奴隷制度廃止運動など当時のアメリカを映し出した貴重なイメージの数々を展示予定
アメリカが誇る世界最大級の学術研究機関「Smithsonian Institution（スミソニアン学術協会）」が運営する『Smithsonian American Art Museum（スミソニアン博物館、以下SAAM）』は、最近1840年代から1920年代にかけて活躍したアフリカ系アメリカ人写真家の作品286点を新たに所蔵品に加えたことを発表した。
これらの写真は著名な歴史家であり、19世紀の写真コレクターでもあるLarry J. West（ラリー J.ウェスト）のコレクションから買い取ったものだという。写真の種類は銀板写真（ダゲレオタイプ）、湿板写真（アンブロタイプ）、鉄板写真（ティンタイプ）などがあり、Augustus Washington（オーガスタス・ワシントン）、James Presley Ball（ジェームズ・プレスリー・ボール）、Glenalvin Goodridgeら写真家によって撮影された、奴隷制度廃止運動をはじめとする当時のアメリカの時代背景を色濃く反映した貴重なイメージの数々が映し出されている。
「SAAM」の写真部門のキュレーターであるJohn Jacob（ジョン・ジェイコブ）は、これらの作品を所蔵品に加えた理由について以下のように語った。「Westは初期の写真の桁外れのコレクターであり、そのコレクションは歴史的にも大変貴重なものばかりです。私たちは彼のコレクションを、既にSAAMが所蔵しているアフリカ系アメリカ人の芸術家の作品と一緒に展示したいと思いました」
Larry J. Westのコレクションから選ばれた写真作品は、近日リニューアルされる「SAAM」の常設コレクションにおける初期のアメリカ写真ギャラリーの目玉となるようだ。詳細については「SAAM」の公式サイトでチェックしよう。
