英国を代表する彫刻家 フィリップ・キングが死去
享年87歳
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イギリス・ロンドンを拠点に半世紀以上にわたって活動を続けた巨匠彫刻家 Phillip King(フィリップ・キング)が7月29日(現地時間)、87歳で亡くなったことが明らかになった。
Phillip Kingは1934年にチュニジア共和国の首都 チュニスに生まれ、ケンブリッジ大学に入学するためイングランドへ移住。同大学で言語学を専攻していたものの、ある日訪れた『ルーブル美術館』で見た彫刻作品に感銘を受けたことをきっかけに芸術の道を志すことに。その後セント・マーチン美術学校で彫刻を学び、20世紀のイギリスを代表する彫刻家 Henry Moore(ヘンリー・ムーア)の助手となる。彼は既存の概念に囚われないさまざまな色や素材を用いた実験的な彫刻作品を次々に発表し、1960年代にはイングランドで起こった新たな芸術ムーブメント “New Generation Sculpture(ニュー・ジェネレーション・スカルプチュア)”の中心人物として活躍。彼の作風はその後変化したものの、後進の彫刻家たちに多大な影響を与えている。
Phillipが晩年所属した『Thomas Dane Gallery』は、彼の訃報に際し、以下のような声明を公開した。「私たちは、Phillipの人生の最後の8年間を共に過ごせたことを幸運に思います。彼は芸術や彫刻制作において、ルールや制限などあってはならないと私たちに教えてくれました。彼の好奇心や喜び、輝きはこれからも無限に伝染し続けるでしょう。私たちは彼を心から恋しく思います」。なお、Phillipが最後に手掛けたプロジェクト “La Ronde de Rennes”は今年後半にフランス・レンヌでお披露目されるとのこと。
『HYPEBEAST』編集部一同、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。