YEEZY の元デザイナーが公民権運動にインスパイアされた椅子を製作
ノースカロライナ州グリーンズボロの4人の黒人学生が人種差別に抗議して敢行した“座り込み運動”に敬意を表したデザイン
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Kanye West(カニエ・ウェスト)の手掛ける〈YEEZY(イージー)〉の元デザイナーという経歴をもつCedric Hudson(セドリック・ハドソン)が、自身が設立したデザインスタジオ「Contemporary Athletics(コンテンポラリー アスレチックス)の最新プロダクトとしてGreensboro Chair(グリーンズボロチェア)と称する椅子を発表した。
Cedricは2012年5月から2021年2月まで〈adidas(アディダス)〉に所属し、その間に〈YEEZY〉のアパレル部門のデザイナーを務めたりしながら、数多くのプロジェクトを担当してきた。彼は同社を退社後、先述の「Contemporary Athletics」を設立し、アパレルや家具などのさまざまなデザインプロジェクトを手掛けている。
彼の最新プロダクトであるGreensboro Chairは南米ペルー産のクルミ材を素材に使用した椅子で、そのミッドセンチュリー調のデザインは1950年代から1960年代のアメリカで起こった公民権運動において重要な役割を担った、ノースカロライナ州グリーンズボロの学生が主導した非暴力の座り込み運動にインスパイアされているという。Cedricはデザインの具体的な着想源について以下のようなコメントを発表している。「1960年2月1日、ノースカロライナ州グリーンズボロにある学校に通う4人のアフリカ系アメリカ人の学生たちが、同市内の飲食店で人種差別によりサービスを受けることができませんでした。そこで勇敢な彼らは椅子から離れず、自分たちの権利を主張し、非暴力の座り込みを敢行しました。その後彼らの運動が拡がり、公民権運動において重要な役割を果たすことになったのです。この椅子のデザインは“背筋を伸ばして座ったまま、決してその場から立ち去らない”という彼らの姿勢からインスパイアされています」