リカルド・ティッシが Burberry を去るのは時間の問題?
彼を〈Burberry〉に招き入れたCEOの退任が大きく影響か
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イングランドにおけるファッションシーンの雄〈Burberry(バーバリー)〉。2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により各ブランドが苦戦を強いられていたが、同ブランドは2021年3月通期決算で純利益が前期比209.1%増の3億7,590万ポンド(約576億円)を記録するなど、パンデミック前の業績を上回るほどの快調ぶりを見せている。しかし、このタイミングで最高経営責任者(CEO)を務めるMarco Gobbetti(マルコ・ゴベッティ)が2021年末で退任することを発表した。
Gobbettiの退任と業績は特に関係しておらず、家族との時間を過ごすために故郷イタリアへ戻ることが理由とされているが、ここで気になるのがチーフ・クリエイティブ・オフィサー Riccardo Tisci(リカルド・ティッシ)の進退である。というのも、Tisciの〈Burberry〉入りは彼がそれまで手掛けていた〈Givenchy(ジバンシィ)〉のイメージもあり、社内外から多くのネガティブ意見が噴出していたのだが、何を隠そうTisciを〈Burberry〉に招き入れた張本人がGobbettiなのである。
結果としてGobbettiの選択はビジネス的には間違っていなかったのだが、往年の〈Burberry〉ファンがTisciの就任を機に離れたのも事実。〈Burberry〉の最高財務責任者(CFO)を務めるJulie Brown(ジュリー・ブラウン)によると、「BurberryはTisciの留任に自信を持っており、TisciもBurberryでの仕事に満足している」とのことだが、両者間でチーフ・クリエイティブ・オフィサーの契約が何年まで残っているかは明らかにされていない。時折〈Versace(ヴェルサーチェ)〉への参入が噂されるTisciだが(Donatella Versaceは否定)果たして……。