アルコールは量に関係なく脳に悪影響を及ぼすとの研究結果が発表
安全なアルコール摂取量というのは存在しないとのこと

飲酒といえば未成年の頃は誰もが羨んだ大人だけに許された嗜みであり、日本には古くから“酒は百薬の長”ということわざがあるが、このたびイングランドの名門大学 University of Oxford(オックスフォード大学)に籍を置く研究者 Anya Topiwala(アーニャ・トピワラ)が発表したアルコールに関する興味深い研究結果をご紹介。その内容は本記事のタイトルにもある通り、アルコールは量に関係なく脳に悪影響を及ぼすというもの。
過去にUniversity of Exeter(エクセター大学)の研究チームは、適度なアルコールの摂取は記憶力を高めるという研究結果を発表していたが、今回の研究ではイングランドに住む25,000人からアルコールの摂取量を申告してもらい、それぞれの脳の断層写真と照合。すると、飲酒量が多い人物ほど脳内で情報処理をつかさどる領域・灰白質が小さくなっていることが判明。さらに、飲酒パターンや種類などからアルコールがどれだけ脳に影響を及ぼすかも調査したところ、安全なアルコール摂取量というのは存在せず、どれだけ少量でも摂取した時点でリスクを伴い、加えて血圧の上昇と肥満を助長することが分かったそうだ。一方、特定の種類のアルコールが脳に悪影響となるかは分らなかったという。
「CDC(米国疾病管理予防センター)」のガイドラインをはじめ、世界的にアルコールの摂取量は成人男性は1日2杯以下、成人女性は1杯以下が推奨されているが、もしかすると近いうちに見直しがあるかもしれない。