Nike と MSCHF の Lil Nas X とのコラボモデル Air Max 97 “Satan Shoes” をめぐる法廷闘争が和解成立へ
〈Nike〉が自主回収を要請し、「MSCHF」が同意した形
先月、そのデザインディテールから発売されるや否や問題となったアメリカ・ブルックリンのクリエティブエージェンシー「MSCHF（ミスチーフ）」とアトランタ出身のラッパー Lil Nas X（リル ナズ X）によるコラボ〈Nike（ナイキ）〉Air Max 97 “Satan Shoes”。先日の記事でもお伝えしたように、本スニーカーは〈Nike〉の承認・許可を得ずに「MSCHF」が独自にカスタム/販売した非公式モデルであるため、同社は「MSCHF」に対し商標権侵害や不正競争行為などで起訴を起こしていたが、このたびこの件について起訴上の和解が成立したと報じられた。
報道によると、和解の具体的な内容は明らかにされていないものの、「MSCHF」が製作したAM97 “Satan Shoes”および“Jesus Shoes”の購入者には各シューズを返品すれば全額返金されるというオプションが含まれているとのこと。〈Nike〉は和解が成立したことについて以下のような声明を発表。「MSCHFは、私たちの許可なくこのシューズを製作しました。和解の一環として私たちはMSCHFに、“Satan Shoes”と“Jesus Shoes”を元の小売価格で買い戻し、流通から排除するために自主回収を要請したところ、彼らはこれに同意しました。購入者が混乱していた場合、または購入したシューズを返品したい場合は、全額返金されます。返品をせず、後に製品の問題や欠陥、健康上の懸念が生じた場合は、NikeではなくMSCHFに連絡してください」
一方、「MSCHF」側の弁護士は今回のコラボレーションのメッセージはLil Nas Xの新曲 “MONTERO”のMVによって“力強く”伝えられ、〈Nike〉との短期間の法廷闘争によってさらに“劇的に増幅”されたとし、訴訟の結果には“満足”していると述べている。「MSCHFは1分以内に（665足が）完売したこの“Satan Shoes”を発表することで、一部のブランドが行っているコラボレーション文化の不条理さと、不寛容さの有害性について言及することを意図していました。彼らはすでに目的を達成したため、新しい芸術的なプロジェクトに時間を割くためにはこの訴訟を終わらせ、和解が最善の方法であると認識していました」。また、気になる“Satan Shoes”の最後の1足については、最終的に「MSCHF」が保管することになったそうだ。
