稀代のストライカー セルヒオ・アグエロが心臓疾患により現役引退
今夏にバルセロナに移籍したばかりだが、ドクターストップにより約19年のキャリアに幕を下ろす
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今夏、10シーズン在籍したイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティからスペインの名門バルセロナに移籍していたアルゼンチン代表FW Sergio Aguero(セルヒオ・アグエロ)が、心臓疾患により現役引退を発表した。
Agueroは10月30日(現地時間)に行われた試合中、胸の痛みと呼吸困難を訴えて途中交代。その後の検査結果で不整脈が発覚し、当初は3カ月の離脱が発表されていたが、現役続行にドクターストップがかかり引退決断に至った。12月15日(同時間)に開かれた引退会見で、彼は涙ながらに次のように胸の内を語っている。
「とても辛い瞬間だが、現役引退の決断には納得している。自分の健康が1番だからね。これは1カ月半前に自分の身に起きた問題から決めたことで、医者にプレーするのを辞めたほうが良いと言われ、10日前に決断した。何か希望がないか全力で探したけど、ほとんど何も見つけることはできなかった。でも俺は自分のキャリアに大きな誇りを感じている。初めてボールに触れた5歳からプロ選手としてのキャリアを常に夢見ていた。ヨーロッパに行けるなんて、18歳の時にチャンスを与えてくれたインデペンディエンテとアトレティコ・マドリードに感謝したい。マンチェスター・シティについては……言わなくても分かると思う。世界一のクラブであるバルセロナに加入できたことは、信じがたいほど素晴らしいことだった。そして、アルゼンチン代表は1番好きな場所だった」(Sergio Aguero)
かつてDiego Maradona(ディエゴ・マラドーナ)も所属した母国のクラブであるインデペンディエンテにて15歳でプロデビューしたAgueroは、2006年にスペインのアトレティコ・マドリードへ移籍。5シーズンの在籍で234試合101ゴールを記録すると、そのズバ抜けた得点感覚から2011年にマンチェスター・シティに加入。すると、移籍初年度に44シーズンぶりのリーグ制覇をもたらすなど、10シーズンの在籍で390試合260ゴールという驚異的な数字を残した。これはクラブ史上最多記録で、“プレミアリーグで最も多く得点した外国人選手”という記録も保持している。また、2006年にデビューしたアルゼンチン代表としては101試合42ゴールをマークしており、キャリア通算成績は786試合427ゴール。間違いなくフットボール史に残る偉大なストライカーに対し、SNSではLionel Messi(リオネル・メッシ)やVincent Kompany(ヴァンサン・コンパニ)といった盟友たちから賛辞が送られている。