2018年から続いた Kanye West と Drake のビーフがついに終焉
世界中のヒップホップファンが待ち望んでいた2大スターの和解
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先日、Kanye West(カニエ・ウェスト)ことYeは2018年から続くDrake(ドレイク)とのビーフに終止符を打つべく、和解を望む動画を公開していたが晴れて実を結んだようだ。
そもそも2人がなぜビーフに発展したかを振り返りたい。この騒動は2018年、5thアルバム『Scorpion』の制作に勤しんでいたDrakeに対し、突如としてYeが協力したいと熱烈にアプローチしたことに端を発する。YeがDrakeのためにビートを制作すると提案し、Drakeは収録のためにYeのスタジオに向かうも、実際はDrakeが音楽的なアイディアを与えるだけで解散することに(この間、Drakeは隠し子の相談をしていたという)。すると、YeはDrakeに提供すると約束していたビートを使用した楽曲 “Lift Yourself”を自分名義でリリースしたうえに、Drakeが『Scorpion』をリリースする直前、Kanye主宰のヒップホップレーベル「G.O.O.D. Music」に所属するラッパー Pusha T(プシャ T)がアルバム『Daytona』を、Yeもアルバム『Ye』をリリース。しかも、『Daytona』にはDrakeのゴーストライター疑惑をディスった“Infrared”が収録されており、Drakeは一連の流れからYeに裏切られたと心傷し、この時点で距離を取ることを決めたそうだ。
その後、Drakeが“Infrared”に対し“Duppy Freestyle”で返すと、Pusha TはすかさずDrakeの隠し子と友人 Noah ‘40’ Shebib(ノア・”40”・シェビブ)の病気について触れた“The Story of Adidon”をリリース。当然、隠し子についての情報はPusha TがYeから仕入れたもので、Noah ‘40’ Shebibについては内容がセンシティブだっただけにDrakeは敗北を認めつつ、関係修復は金輪際ないと公言。以降Yeが謝罪の旨をツイートし、1人で家に訪問するも無視を決め込むなど、両者の間には深い溝が出来上がっていた(こちらの過去記事を参照)。
そして2021年7月、世界的なデジタルメディア戦略家として知られるKaren Civil(カレン・シビル)が「2人はもう友達だよ」とツイートしたことから和解の噂が広がったものの、Drakeが口火を切る形でビーフが再燃。Trippie Redd(トリッピー・レッド)の楽曲 “Betrayal”に参加したDrakeがヴァースの1節で、「俺はビーフしている奴らのことをほとんど知らない。Kanyeが俺のために何かを変えることなんてないし、もう変わらない」とラップ。これを受けYeはDrakeがいるチャットにPusha Tを招待し、「これが俺の生き甲斐だ。俺はいつだってお前のようなオタク野郎にちょっかいを出されてきたんだ。お前は決して立ち直れない。約束するよ」とメッセージを送り、和解は完全に不可能だと思われていた。
しかし、事態は今月に入り急転。Yeが終身刑で服役中のシカゴ・ギャング界の大物 Larry Hoover(ラリー・フーバー)の釈放のため、Drakeとの和解を求める動画を公開したのだ(詳細はこちら)。この時点ではDrakeがHooverを支持しているのかは不明だったことから和解は夢のまた夢だと考えられていたのだが、なんと11月16日(現地時間)にYeが『Instagram』にDrakeとの写真を投稿。キャプションには平和の象徴である鳩の絵文字が添えられ、同時にDrakeもYeと肩を組む動画を投稿しており、ついに2人が関係を修復したことが分かる。
世界中のヒップホップファンが待ち望んでいた2大スターの和解。早ければ12月7日(同時間)にも2人はLarryの釈放のためのライブで共演するとのことなので楽しみに待とう。