Nike が社内会議で今後の SNKRS の改善点を議論したことが発覚
失われつつある消費者からの信頼回復に向けてさまざまな方針を打ち出す

〈Nike(ナイキ)〉が先日行った社内会議において、同社が提供しているスニーカー販売アプリ『SNKRS』の改善点や今後の方針について議論したことが報道によって明らかになった。
『SNKRS』を利用したことがある方ならよくご存知だと思われるが、一般的なユーザーがこのアプリで抽選に当たる確率はかなり低い。特に人気が集中するコラボモデルに関しては、今まで一度も当選したことがない、という方も多いのではないだろうか。しかし一方で、同アプリで販売された数多くのスニーカーが軒並みオークションなどに定価の数倍の値段で出品されており、転売市場は近年活況を呈することに。このような状況を踏まえ、『SNKRS』アプリは一般ユーザーには不利なシステムとして設計されている、といった噂が消費者間で長年ささやかれてきた。さらに、今年初頭に〈Nike〉の元副社長 Ann Hebert(アン・エイベアー)の息子がスニーカーの転売ビジネスに関与してしたという事実が報じられたことで、彼らの同社への不信感はますます強まっている。
『Sole Collector』や『Complex』などのゼネラルマネージャーを務めるBrendan Dunne(ブレダン・ダン)がメディアを通して伝えた内容によると、先述の〈Nike〉の社内会議では、『SNKRS』のグローバル・ヴァイス・プレジデントのRon Farisが件の噂について触れ、同社が消費者の信頼を取り戻すためにはどのような点を改善し、今後何をすべきかについて議論されたという。Farisはまず『SNKRS』アプリにおけるシステムの公平性を担保することを世界的に優先させるべきだと主張。そのほかには、ボットの利用の規制や、消費者への責任説明をしっかり果たしてシステムの透明性を実現すること、さまざまなコミュニティーの包括性を確立することなどが挙げられた。そしてアフリカ系アメリカ人やアジア人コミュニティーへの配慮をより意識することで、市場を再形成していきたい、と付け加えた。
この会議で論じられたように、『SNKRS』はさまざまな問題点を改善し、ユーザーが安心して買い物を楽しめるシステムをあらためて構築していくようだ。今夏より導入された新システム “Exclusive Access(限定アクセス)”はその先駆けと言えるだろう。また、ユーザーとの繋がりをより深めるようなコンテンツが今後ますます充実していく模様。果たして『SNKRS』がどのように変わっていくのか、これからの展開に期待したい。