DC SHOES と約20年も時を共にする鉄人ジョシュ・カリスが俯瞰する現在のスケートシーン

「スケートがスケートであり続け、ただ盛り上がればいい」、『ビームス 原宿』の写真展開催に伴い来日していたジョシュと盟友マイク・ブラバックの重みのある言葉の裏に隠れたスケートへ対するピュアな愛情

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1994年にスケートボードカルチャーの本場アメリカにて創設され、いまやスケートボードシューズ界の屈指の大御所ブランドとして君臨する〈DC SHOES(ディーシー シューズ)〉。キッズからプロまで世界中のスケーターたちに愛され続けているのはもちろん、ストリートファッションが興隆し、80’s~90’sのスタイルがリバイバルしている現在、〈DC〉がストリート/スケートボードの最重要ブランドの1つとして熱視線を集めていることは間違いないだろう。

そんな〈DC〉を語る上で避けては通れない存在が、1990年代以降のアメリカ東海岸スケートシーンを支え続けるベテランプロスケーターのJosh Kalis(ジョシュ・カリス)。オーバーサイズ全盛期の1990年代後半~00年代前半、ダボダボのパンツとトップスを身に纏ってストリートで難なくトリックを連続でメイクしていく彼の姿は、日本を含む世界中のキッズスケーターたちに影響を与えた。そして約20年の時を経てなおプロスケーターとして活動し続ける鉄人である。

今回〈DC〉はそんなレジェンドを讃えるべく、1stシグネチャーモデルであるKalis OGのオリジナルカラーを最新モデルに落とし込んだKalis Sと、2000年に発表された1stモデルのKalis OGの新旧スケートシューズ2モデルからなる超限定コレクターズボックス(¥25,000+Tax)&アパレル(¥3,800~7,800+Tax)のリリースに加え、『BEAMS(ビームス)』とのコラボレーションも展開。シュータンを2枚重ねたダブルタン仕様のユニークな限定Kalis OG(¥13,800+Tax)とアノラックジャケット(¥10,000+Tax)が発売されたほか、『ビームス 原宿』では3月3日(日)までの期間中、長年〈DC〉のチームフォトグラファーを務めてきたスケートシーン屈指の文化人Mike Blabac(マイク・ブラバック)とJosh Kalisによる写真展も開催されている。 

そして『HYPEBEAST』では、その写真展開催のために来日を果たした両氏に、彼らから見たストリート/スケートシーンのこれまでの歴史や今回発売されたプロダクトについてのこと、そしてオリンピックを控える東京のスケートシーンについての印象などを聞いた。

- 過去30年間のスケートシーンを振り返って、環境やカルチャーそのものにどのような変化があった?

Josh(以下J):スケートボード自体のプラットフォームが変わったのが1番大きい出来事かな。昔はトリックをメイクできた瞬間や仲間との日々が何よりも大切だったけど、最近はInstagramやYouTubeといった新たなメディアの誕生によって日々の一瞬一瞬を切り取ることが容易な時代に移り変わった。そういうことを踏まえると、“スケートを心から楽しむ“という根底は変わらずも、スケートの仕方や目的には大きな変化があったかもね。これらが決して悪い方向に向かっているということではないんだけど。例えば業界内でアスリートとして「スポンサーしてくれ!」って奴らもいれば、「ストリートこそスケートだ!」って奴らもいる。そんな二極化しているのが今のスケート文化だろうね。

- InstagramやYouTubeの台頭によって、写真で残すことの価値やその存在意義が薄れていると感じることは?

Mike(以下M):個人がSNSを通して何かを世界中とシェアすることが普通になってきているけど、私は〈DC〉のポスターやキービジュアルの仕事がベースであって、それ自体が競合だとは別に思ってないね。Joshは常にその時代のスケートカルチャーを発信し続けてきたから、私はそれを見守る役として彼の写真を撮り続けて発信しているよ。そのなかでチャレンジすることが私のモチベーションであり、仕事でもある。

- 東京のスケートシーンはどのように映ってる?

M:東京独特のカルチャーはあるように思うよ。なんとも上手く言葉には言い表せないけど、ファッションとスケートカルチャーが蜜月な関係で共存している。〈Palace〉や〈Supreme〉のコアユーザーは本当にスケートが好きな東京のヘッズかもね。それにしても、東京は昔に比べてスケートしにくい環境になってると思うよ。

- 東京ではスケート=ファッションと捉えている人も多いと思うけど、それについてはどう?

J:今ファッション業界にいる人は、元々スケーターだった人たちが多い。スケートカルチャー上がりの業界人が、今度はそこで培ったギミックやマインドをファッションに投影してる気がする。俺の意見としては、スケートがファッションへと流れていくのは良いことだと思うよ。

- ストリートブランドがラグジュアリーブランドとコラボレーションすることについてはどう思う?

J:それはそれでリアルだし、別にいいんじゃないかな。どういう広がり方だろうが、ベースにスケートがあれば問題ないでしょ。

- 昔と比較して、プロスケーターの在り方も変わってきた印象です。

J:今までの“プロスケーターになる”ということは、自分のシグネチャーデッキが世に出回ることが他の何にも変えられないステータスだった。だけど、今は自分で「プロ」と言ってしまえば、その時点でプロだと思われる。言ったもん勝ちみたいだけど、まぁこれが時代の移り変わり。ここから先もどうなるかわからないし。割と俺は俯瞰的に見てるのかもな。

- DC Shoesは今のスケートシーンにおいてどのようなポジションで、どういった魅力があると思う?

M:スケートボートを生業にしている限り、スケート界での地位は揺るがないかな。カルチャーとスケート/スケーターを繋げる役割もあるし、他のブランドには真似できない個性を宿したブランドだね。

J:スケートボードカンパニーとしてスタートしたから、いくらファッションアイテムを作っててもその土台はスケートボードだよ。ただただリアルなスケーターからしたら〈DC〉はブランドの重みが違うね。

- シグネチャーシューズの復刻、新作について聞かせてくれる?

J:復刻は俺が最初に手掛けたシリーズのなかでもお気に入りのカラーリングさ。当時のインパクトと感動を忘れないように作った1足であり、この重さとボリューム感がまたいいんだよね。新しい方のシューズはテクノロジーに焦点を当てていて、これまで俺が紡いできたストーリーの集約的な1足かな。見所と言えば、ハードな滑りをしても足首がブレず、程よいホールド感を持たせるためにシュータンを一体化したこと。そして、あくまでもスケート用だから、あえて軽くしすぎないようにも意識したよ。

- 2020年東京オリンピックで新競技に認められたスケボーについて何か思うことはある?

J:まぁ競技化すること自体は別に悪くないし、みんながスケートボードに注目してくれることは単純に良いと思うよ。正直な話、今ストリートでスケートをしている奴らは変わらずストリートでやってくだろうし、コンペ感覚で挑戦するのも良いと思う。これらを総合してマーケットが広がってくれるなら良いでしょ。

M:ストリートも、オリンピックも、どっちもスケートボードであることは変わりない。少しでも認知度が高まってくれるだけで、スケートボードに携わるうちの一人として嬉しいよ。

- この写真展および写真集についての想いは?

M:これは、Joshたちがやってきたカルチャーシーンの構築と30年間に渡って〈DC〉を支えてきた僕たちの証明だよ。僕らがやってきたことが間違いでなかったと思えたし、今の世代が見てもスケートの楽しさや仲間との友情を感じ取ることができると思う。そのなかでもお気に入りのショットは、今は違う姿へと生まれ変わってしまった『Love Park』でJoshがトレフリップをメイクした瞬間のものと、奇跡的に無人となったベイブリッジでのスリリングな1枚かな。後にも先にもこんな写真はないよ。


自身の人生のほぼ全てをスケートボードに捧げてきたレジェンドJosh Kalisと、彼らのストリート上における精神世界を切り撮り続けてきたMike Blabacが過去30年間のスケートボードの歴史を振り返るその写真展。スケーターならずとも一見の価値ありの内容なので、是非足を運んでみてほしい。

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