Nike の CEO マーク・パーカーが不健全な社内環境について従業員に謝罪
スニーカー帝国を揺るがす悪しき慣習の浄化について言及
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〈Nike(ナイキ)〉といえば、世界最大手のスポーツカンパニーであり、イギリスの「Brand Finance」社が発表する世界アパレルブランド価値ランキングでも他の追随を許さない巨大企業であるが、ここへ来て組織としての在り方が大きく問われる試練に直面している。
『The Wall Street Journal』の報じたところよると、5月3日(現地時間)にアメリカ・オレゴン州に位置する〈Nike〉のヘッドクォーター内『Tiger Woods Conference Center』にて開催された社員集会で、同社の最高経営責任者を務めるMark Parker(マーク・パーカー)が、これまで一部の従業員の意見を蔑ろにし、職場環境への苦情に対して真剣に取り合わなかったとして、自社の企業風土について謝罪した。
同CEOは、自身を含めた上層部が従業員たちから上がる不満の声に注意を払っていなかったことを認め、「もしNikeで働く全ての人が平等に機会を得られていないとしたら、そのような状況を見過ごすことはできない」と続けた。
今後のステップとして、全従業員の発言が埋もれることなく、一人ひとりが参画している実感の持てる透明度の高い職場作りに移行していくという。また、Parkerはこの改革が一人の力では成し遂げられるものではなく、互いのサポートが不可欠であると会場に集まった社員一同に協力を訴えた。あわせて、状況の改善にあたり、同社内における新たなトレーニングプログラムを発足させると発表。そこには次期リーダー層に対する教育プログラムに加え、全従業員向けの指導プログラムやアンコンシャス・バイアスへの研修が含まれるという。
同社は、3月に女性社員のグループから男性中心の企業体質への不満や、男性社員の不適切な行為に関する訴えを受けて、社内調査を実施しており、結果として、次期CEOと目されていたTrevor Edwards(トレバー・エドワーズ)を始めとした複数のエグゼクティブが相次いで職を追われている。
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