Interviews:ヘルシンキ出身の64歳女性スケーター レナ・サルミに迫る
「年輩の初心者がスケートパークにいると、みんな気を遣ってスペースを与えてくれるけど、私はそんなの欲しくないの!」
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「年には勝てない」という言葉があるが、ステレオタイプな高齢者像は、Lena Salmi(レナ・サルミ)の前では滑稽に見える。フィンランド・ヘルシンキ出身、御年64歳のLenaは、スケートボーディングを始めて僅か3年であるが、彼女の恐れを知らないアプローチを羨ましく感じる人は決して少なくないだろう。Facebookグループ「Very Old Skateboarders(その名の通り、一般的なスケーターよりも年齢を重ねた人たちのコミュニティ)」の管理人の一人として、Lenaはソーシャルメディアを通じ、自分と同じユニークな趣味を持つ世界中の人たちと繋がっている。
我々は、2月8日から11日(現地時間)までロンドンで開催されていた「Gallery of Groups(UK内の一風変わったFacebookグループにフォーカスしたエキシビション)」に出席するため、現地に滞在していたLenaにいくつか質問を投げかけてみた。
ー スケートボードを始めたときの年齢は? また始めたきっかけは?
61歳から始めたわ。57歳の頃からロングボードはやっていたけれど。私ぐらいの年齢で何かを始めると、いくらでも失敗ができる自由が生まれるの。以前、ヘルシンキのスイミングスタジアムまで自転車で通っていたんだけど、チューンアップされたビューティフルな自転車だったから、スタジアムの外に停めていたら盗まれちゃうと思って『そうだ、ロングボードを買おう』と唐突に思い立ったわけ。それに乗って行けば、ロッカーに収まるでしょ。そういう感じで、現在の最愛のスポーツに出会えたのよ。
ー あなたがスケートをやっているときに、よくある周囲の反応は?
95%はラブリーな反応よ。若い女の子のグループにだけ笑われるわ、 先週もちょうどロンドンであったけど。逆にスケートパークで出会う男の子らは、彼らのトリックを見てほしいって話かけてくるの。見終わった後は、アドバイスをあげたりもらったり、そこから会話が始まる。女の子たちには、勇気を与えたいと思う。自分自身に自信を持ってもらいたいわ。
ー 年齢を重ねてからスケートを始めるアドバンテージは何?
アドバンテージですって? そんなものはないわよ! でも正直言って、61歳から始めるとなると、急ぐことは何もないっていうのはわかるわ。今まで積み上げた人生が既にあるんだから。年輩の初心者がスケートパークにいると、みんな気を遣ってスペースを与えてくれるけど、私はそんなの欲しくないの!
ー Facebookグループにいることが助けや励みになった?
ここが全てよ。このグループ内で恥をかくことなんてない。私が馬鹿げた質問をしたって、グループのメンバーは誰も笑ったりしないわ。このグループの中で同じ趣味を持っている人たちと交流していると、続ける勇気が湧いてくるの。
ー スケートをする際のお気に入りシューズは?
絶対Vans。ヘルシンキでVansを履いている人たちは、みんなとってもいい人だからっていうのが一番大きな理由かもしれないけど。
ー スケートボードに興味を持っている人にアドバイスをするなら?
とにかくやってみなさい! そこが新しい人生の始まり。元の生活になんて戻れなくなるわよ。
いかがだっただろうか。Salmiと同じシニア世代ながらも、88歳にして〈Supreme(シュプリーム)〉や〈Anti Social Social Club(アンチ ソーシャル ソーシャル クラブ)〉を着こなす“ストリートギーク”なおばあちゃん、Moon Lin(ムーン・リン)についてもチェックしてみてはいかが?