HYPEBEAST Magazine Issue 16: The Projection
今回のカバーを手がけたのは、NYアーティストの「カウズ」
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ブランディングとはアートであり、ビジネスでもある。ブランドがある人物を描写する役割としてあっても、レーベルとしてあっても、ブランディングとはそれぞれが持つ、アイデンティティーと視野の進化を表すものでもあるのだ。我々が自分をどう見るのか、または他人にどう見られたいかというのはイメージクリエーションの一部であるが、一番重要なことはどのように多数のアイデアを合併して一体化するかにあるのだ。一つの“Projection”で自分がどのような要素を兼ね備えているかを伝えないといけないのだ。
今回で16冊目となる『HYPEBEAST Magazine Issue 16: The Projection』は、伝説的な現代アーティストの「KAWS(カウズ)」を迎え、カバーのデザインを手がけてもらった。それ加え、「KAWS」にはイラストをはじめ、彫刻などのアートワーク、またおもちゃや、ファッションなどあらゆる分野に進出し、彼が築き上げてきた“帝国”についてインタビューを行った。『HYPEBEAST Magazine』が、アートをカバーに起用するのは初の試みであり、リミテッドエディション版にはスペシャルケースが付くなど、16号は今までよりもスペシャル感が増した一冊となる。
そのほかにも〈Cav Empt〉の「Toby Feltwell(トビー・フェルトウェル)」には、ブランドの風潮、そしてトレンドが常に変わる現代のファッション界について語ってもらった。そして「Nasir Mazhar(ナジール・マザー)」のインスピレーション源や、彼のストリートとランウェイを交差させるユニークな方法についてもフォーカスを当てた。ブランドをゼロからスタートさせるのは難しいことではあるが、名高いメゾンの下で、今まで築き上げてきた伝統を維持しながらも新しい斬新な作品を作り上げるのも同じく難しいこと。そして〈Dior Homme〉のデザイナーを務める「Kris Van Assche(クリス・ヴァン・アッシュ)」は、メゾンの創業者のビジョンに沿いながらも、個性的な作品を生み出さなくてはいけない難関を教えてくれた。
ブランディングとはファッションのみならず、スペース作りにも関係する。ユース&ストリートカルチャーに大きい影響をもたらしているロンドンのクリエイティブデュオ「No Vacancy Inn」の「Tremaine Emory」と「Acyde Odunlami」には、人とアイデアが交差するバーチャルな空間作りについて聞き、日本のインテリアデザイン事務所「Wonderwall」を率いる「片山正通」には、『colette』、『Uniqlo』や、『Ritz Carlton Hong Kong』にあるバーなどのスペースコンセプトなど、フィジカルな空間作りについてインタビューを敢行した。そしてもう一つのフィジカルスペースといえば、人間の身体。アートワークを人間の身体に施す、タトゥーアーティストの「Thomas Hooper(トーマス・フーパー)」も今回追った。
構想から、建設、そして消費、どの分野においてもブランディングとは各自のアイデンティティを築き、大きな役割を務めていることは誰も否定できないであろう。そしてそれぞれが選んで購入した物はその人がどのような人物か表すものでもあるのだ。“Projection(投影)”とは光の透過や過度爆発という以上に、移動する光が表面に当たった時の“Projection”が、見ている人たちにどのような影響を与えているかなのだ。
『HYPEBEAST Magazine Issue 16: The Projection』は『HBX』をはじめ、一部の書籍店にて15ドルで発売予定だ。
※写真はリミテッドエディション版