元従業員が語る、fragment design x Air Jordan 1 が7,000円で売られた理由
アメリカのディスカウント量販店『Marshalls』はどのようにブランドのスニーカーを仕入れているの?

昨年12月、いくつもの〈fragment design(フラグメントデザイン)〉x〈Nike〉の「Air Jordan 1」が、アメリカのディスカウント量販店『Marshalls』で約7,000円で販売されるという珍事件が起こったのを覚えているだろうか? この予期せぬラッキーな(?)出来事はなぜ起きたのか、『Complex』はこの量販店チェーンの元アソシエイトプランナーであったKwabena Richard Leibelという人物にインタビュー。彼は2008年から2012年まで、同社のすべての店舗にスニーカーを振り分けるディストリビューション業務を行っていた人物だ。記事の全文はこちら(英文)だが、まずは以下よりそのインタビューの抜粋をご紹介しよう。
Marshallsはどのように商品となるスニーカーを強いれているのですか?
NikeはMarshallsやTJ Maxx(Marshallsの姉妹店)にエクセルのスプレッドシートを提示します。そこにはレトロバスケットボールや、ランニングというようにカテゴライズされたタブがあり、そのタブのリストに商品の詳細であるスタイルナンバー、仕入れ可能なサイズ、発売当時の定価、そして我々にオファーされる卸価格が書かれています。ただMarshallsはそのブランドのものが買えればいいので、細かなディテールは気にしません。彼らが理解しているのは、Nikeの商品をそのシーズンの予算に合うように買っているということだけです。
各店舗では、どの店に何がストックされるか把握しているのですか?
商品が確実に店頭に並ぶように業務をするのがMarshallsの店舗スタッフの務めです。個々の従業員がその商品価値を理解していることもありますが、彼らはどのように商品が振り分けられるのかというシステムは知りません。そして店舗がが使っている管理システムは店ごとにそれぞれ独立しています。また、到着した全ての商品はフロアに並ぶことになり、バックストックはありません。なので別の店舗に違うサイズがあるかということは調べようがないのです。
Fragment x Air Jordan 1はなぜMarshallsに?
これは推測ですが、おそらく納品遅れの分でしょう。B品でもフェイクでもなく、Aグレードの商品なので、全て店頭で販売されるために作られたものです。なので、単純な納品遅れか、出荷前に紛失分と判断され、納品期限を過ぎてから発見されたものだと思います。もしくは、卸される予定だった店が受け取れなかったのかもしれません。スニーカーの販売店はオーダーから30日以内に支払を済ませないといけないのですが、その期限を過ぎた未払いのオーダー分が倉庫に眠っていたという可能性もあります。そしてその行き場のない商品が、Marshallsの大口仕入れの一部になったのだと思います。