世界的な人気を誇る CASIO のブランドの歩みを振り返る|Behind the HYPE
日本の時計メーカーが培ったデザイン理念を解き明かし、名作アーカイブ誕生の裏側に迫る
かつてキーボードや電卓を製造するメーカーとして知られた「CASIO(カシオ)」は、1970年代初頭に時計市場へ参入を果たし、現在にいたるまで革新的なアイテムを数多くラインナップさせてきた。そんな「CASIO」の歴史に迫るべく今回の『Hypebeast』では、“Behind the HYPE(ビハインド・ザ・ハイプ)”の最新エピソードでブランドの歴史にフォーカスを当てる。
そもそも「CASIO」は1974年にオートカレンダーを搭載した世界初のデジタルウオッチ カシオトロンを発売し、それを皮切りに時計ブランドとしての歴史をスタート。そして1977年には、レトロフューチャーなデザインが印象的なF-100を発表し、今では当たり前となった硬質樹脂ケース採用の腕時計を世界で初めて採用した。それから1989年にF-91Wをリリースして、スポーツにおける腕時計の実用性を体現したブランドという名声を確固たるものにする。
そういった激動の時代の中で「CASIO」の知名度を一躍メインストリームに押し上げたモデルが、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマイケル・J・フォックス(Michael J. Fox)が着用した“データバンク”と呼ばれるCA-50である。また、『ミッション・インポッシブル』シリーズのトム・クルーズ(Tom Cruise)や、最近では『フリーガイ』のライアン・レイノルズ(Ryan Reynolds)など、「CASIO」の腕時計はこれまでに数多くの作品で銀幕でのカメオ出演を果たすことに。
さらに「CASIO」はブランド初のアナログ&デジタル腕時計 AQ-500(通称:ジェナス)を1982年に登場させ、その翌年には後継機としてタッチスクリーンと電卓機能を搭載したAT-550をリリースしている。そして同年の1983年に、「CASIO」から腕時計の常識を覆したタフネスウォッチ〈G-SHOCK(ジーショック)〉が誕生。画期的な樹脂パーツとユニークなスクエアフェイスデザインがアイコニックな初代モデル DW-5000Cは、10mからの落下と10気圧の水圧にも耐え、10年の電池寿命をコンセプトに開発が進められた。センセーショナルなデビューを果たした〈G-SHOCK〉の腕時計は、新世代のタフネスウォッチとして多くの人に愛され続けてきた。
こうして〈G-SHOCK〉は日本から世界中へと名が知られるようになり、影響力のあるストリートウェアブランドやショップとのコラボレーションを開始していく。例えば〈Billionaire Boys Club(BBC:ビリオネア・ボーイズ・クラブ)〉や〈BAPE®︎(ベイプ)〉こと〈A BATHING APE®︎(ア・ベイシング・エイプ)〉、〈STÜSSY(ステューシー)〉〈thisisneverthat(ディスイズネバーザット)〉〈HIDDEN NY(ヒドゥン ニューヨーク)〉、『KITH(キス)』『BEAMS(ビームス)』などである。
ファッションブランドのみならず、〈G-SHOCK〉はヒップホップ界のレジェンドクルーWu-Tang Clan(ウータン・クラン)ともコラボレーションを果たし、同クルーのデビュー30周年を記念したアイテムが2023年に発売された。また、この年は〈G-SHOCK〉40周年でもあり、それを記念し、人間とAI(人工知能)が共作した18Kゴールドの特別モデル G-D001(限定1本)を世界有数のオークションハウスである『Phillips(フィリップス)』に出品すると、ブランド史上最も高値の40万50ドルで落札されることに。
このように「CASIO」の時計は、多くのブランドや企業、人々を魅了し、ジャレッド・レト(Jared Leto)やクリス・パイン(Chris Pine)、ドウェイン・ジョンソン(Dwayne Douglas Johnson)、ペドロ・パスカル(Pedro Pascal)、タイラー・ザ・クリエイター(Tyler, The Creator)、セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)といった著名人から、さらにバラク・オバマ(Barack Obama)やローマ法王のような世界的なリーダーにも寵愛を受ける。機能性とデザインを融合させ、革新的なアイテムをラインナップし続ける「CASIO」は、世代をまたいで受け継がれ、タイムカプセルとして信頼され続けてきた。
そんな「CASIO」の歴史について深掘りした上記のビデオをチェックし、ブランドの最新情報はこちらのウェブサイトを訪れて確認してみてはいかがだろうか。