メルセデス・ベンツ EQS 450 4MATIC SUV に乗ってみた
いま、自分は最先端の自動車に乗っているのかもしれない──。「メルセデス・ベンツ)」のSUVスタイルの電気自動車に試乗すると、そんな思いが湧いてきたというサトータケシがリポートする











「メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)」EQS SUVが、いよいよ日本の路上を走り始めた。EQとはメルセデスのBEV(バッテリーに蓄えた電気だけで走るピュアな電気自動車)に与えられるサブブランドで、すでに最上級モデルのセダン版、EQSは日本に導入されている。そしてEQSと共通の基本骨格を持つEQS SUVのデリバリーが始まった。『Hypebeast』は、このSUVスタイルの最上級BEVに試乗する機会を得たので、そのインプレッションをお伝えしたい。
シュッとした外観のEQS SUVに乗り込んでまず気づくのが、室内空間が広いことだ。デカくて重たいエンジンが不要となるBEVは、そもそも室内空間に余裕のある設計が可能になる。しかも床下にバッテリーを敷き詰める構造上、車高の高いSUVがBEVには向いているのだ。
こうした条件が合わさり、EQS SUVは3列シートに7名が乗れる、ユーティリティの高い1台となっている。3列目のシートは簡単に倒すことができ、すると荷室にはゴルフバッグ4個を積むことができる。
室内の広さとともに感じるのは、コクピットが未来感であふれていること。その理由は、運転席から助手席にまで広がる大きな液晶パネルで、助手席に座る方もナビの地図を眺めてドライブに参加したり、あるいはAVのエンターテインメントを楽しむことができる。
ちなみに、ドライバーが助手席側のエンタメ画面を眺めると、車両がそれを察知して画面をブラックアウト、よそ見を防ぐ機能が備わっている。
「ハーイ、メルセデス」と呼びかけて、音声で操作するインターフェイス(MBUX)を起動、声で目的地とエアコンの温度を設定して、いざ出発。
BEVらしく加速はスムーズで静か、しかもエアサスペンションが超快適な乗り心地を提供してくれる。タイヤと地面の間に5ミリくらいの隙間があるような、不思議な浮遊感がある。波ひとつない静かな海を、ヨットが滑っていく感じにも似ている。
全長が軽く5メートルを超えるサイズでありながら都心部でも運転がしやすいのは、曲がるときに前輪だけでなく後輪も舵を切るから。最小回転半径は5.1メートルと、コンパクトカー並みなのだ。
緊急時に作動する自動ブレーキや、前を行くクルマに追従するクルーズコントロールも当然ながら完備していて、安心、楽ちん、大船に乗った気持ちでドライブができる。
しかも4駆の4MATICで最低地上高も確保されているSUVだから、ゲリラ豪雨も怖くないし、タイヤさえ換えればスノボ旅行でも活躍する。
つまり、いまの自動車技術の最先端を、ぜ〜んぶ集めて、ギュッと絞って1台にしたようなクルマが、このEQS SUVなのだ。ちなみに1回の充電での航続距離は593km(国土交通省審査値)で、東京から名古屋だったら余裕、大阪までだったら充電器のあるサービスエリアでワンストップが必要となる。ま、東京→大阪だったら、ドライバーも一度は休憩しないと大変だから、妥当なところかもしれない。
Mercedes-Benz EQS 450 4MATIC SUV
ボディサイズ:全長 x 全幅 x 全高=5,130 x 2,035 x 1,725mm
ホイールベース:3,210mm
車両重量:2,880kg
駆動方式:フルタイム4駆
フロントモーター最高出力:88kW/3,206〜13,874rpm
フロントモーター最大トルク:260Nm/0〜3206rpm
リアモーター最高出力/178kW/3183〜13,772rpm
リアモーター最大トルク/540Nm/0〜3,183rpm
価格:1,542万円〜
公式サイト