FENDI と建築家 隈研吾によるコラボアイテムにクローズアップ
〈FENDI〉のアイコンに日本の伝統的素材である和蘭紙を採用することで、“人工物を自然と一体化させる”という隈氏のデザイン哲学を共鳴させた
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6月15日(現地時間)、イタリア・トスカーナ州のカパヌッキア丘陵に誕生した新たなファクトリーにて発表された〈FENDI(フェンディ)〉2024年春夏メンズコレクション。本稿では、そんなランウェイショーにてお披露目された日本の建築家 隈研吾とのコラボアイテムのディテールに迫る。
隈研吾氏は、ピーカブー(Peekaboo)、バゲット ソフト トランク(Baguette Soft Trunk)のバッグ2型、フェンディ フロー(Flow)のスニーカー1型にフォーカス。古の日本のクラフツマンシップと天然原料を用い、〈FENDI〉のアイコンに隈氏らしいエッセンスを取り入れた。隈氏は、昔の手すきの紙を思わせる、コットンと樹皮繊維から作られる和紙のハイブリッドスタイルである和蘭紙を、各アイテムのデザインに採用。折り紙や提灯、着物のディテールに用いられている伝統的素材であり、ドライでソフトな質感が特徴の和蘭紙を、ピーカブー、バゲット ソフト トランク、フェンディ フローにあしらうことで、“人工物を自然と一体化させる”という隈氏の哲学に共鳴させている。ピーカブーにおいては、先述したデザインに加え、トスカーナのオリーブの木を彫り出した内側のフレームとともに、〈FENDI〉のアイコニックなペカン(Pequin)ストライプを淡いシラカバ樹皮でオマージュしたものも登場する。
他にも、隈氏が細い竹をイレギュラーに編み上げる“やたら編み”を思わせる手法で、編み出した強固な格子は、和蘭紙ピーかぶーの内側のフレームに用いられた。また、この格子は、アッパーにリサイクルされたポリコットンニットまたは和蘭紙を用いたフェンディ フローの3Dプリントによるソールにもインスピレーションをもたらしている。〈FENDI〉のアクセサリーおよびメンズウェアのアーティスティック ディレクター シルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)は「隈研吾氏は、自然主義建築の巨匠であるといつも考えていました。彼は、建築の内部にも外部にも自然を組み込むことの大切さを、初めて認識した建築家の1人です」とコメント。さらに、「彼の作品は、未来と彼のルーツが、非常に本質的な方法で調和しています。彼のサヴォアフェールに対する日本的なアプローチには類似性を感じますし、私はそれを日本とイタリアを結ぶ強固な共通の価値であると考えています」と続けている。
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