Streetsnaps: ペギー・グー
インタビューでは、自身のユニークなサウンドや、音楽レーベル「Gudu Records」の立ち上げ、今夏のリリースへ向けて進行中だというアルバムなどについて伺った
Streetsnaps: ペギー・グー
インタビューでは、自身のユニークなサウンドや、音楽レーベル「Gudu Records」の立ち上げ、今夏のリリースへ向けて進行中だというアルバムなどについて伺った
世界のダンスミュージックシーンの最先端を行くドイツ・ベルリンを拠点とする韓国出身のフィメールDJ Peggy Gou(ペギー・グー)。1月に開催された3年ぶりとなる来日ツアーも大成功を収めた彼女は、『Spotify(スポティファイ)』で月間180万人のリスナーを持つプロデューサーであり、音楽レーベル「Gudu Records(クドゥ レコーズ)」のディレクター、そしてその類まれなるセンスからファッションアイコンとしても知られている。本稿では、そんな彼女へのインタビューを兼ねたストリートスナップを敢行。自身のユニークなサウンドや、「Gudu Records」の立ち上げ、今夏のリリースへ向けて進行中だというアルバムに関してなどについて、抜かりなく語ってもらった。
Hypebeast : 母国である韓国でのDJ体験はいかがでしたか?
Peggy Gou : 予想以上でした。韓国の観客の心を掴むためには、外国とは違った方法でプレイをしなければなりませんでした。観客の反応を見ながら、韓国におけるハウスとテクノが少しずつメジャーになっていっていることを考えてワクワクしていました。好きなアーティストとも共演していたので、すごく感動しました。
ライブで観客に魅せたいファッションはどういったものですか?
私のパフォーマンスには、衣装も含まれると思います。同時に、エネルギーを届けたいので、カラフルな服をチョイスしています。私の服はスタイリストが選んだと思っている方が多いですが、私がスタイリングを組んでいるんです。それは全て、開催国、タイミング、フェスによって異なります。街やシチュエーションに合うと思うエネルギーで選んでいますね。どんどん、スーツケースが大きくなっていって大変です。テクノが好きな人は、ブラックのアイテムしか着ないこともありますが、カラフルな服を着てテクノ音楽をプレイできると思います。
“カラフル”という言葉は、Peggy Gouさんの音楽とステージでの存在感を定義する用語のように思えます。
時々、自分のスタイルを定義するように頼まれることがあります。毎回それはできないとお伝えしているのですが。私はほとんど全てのスタイルの服を着ていますし、それは音楽を作っている時も同じです。私の音楽は、K-House、インディー、テクノなど、あらゆるジャンルの音楽を要素として取り入れています。
Gudu Recordsの立ち上げについて話していただけますか?レーベルは現在どのような活動をしているのですか?
レーベルはテクノ、ハウスなどと表記していますが、自分で名前を付けるつもりはありません。Guduでリリースされる音楽は、さまざまなジャンルにおよびます。そして、ついにコンピレーションアルバムが出ます。それには、韓国のアーティストであるSalamanda(サラマンダ)とのコラボ楽曲も含まれています。実は、Salamandaと私は今回、韓国で一緒に音楽を演奏したかったのですが、スケジュールの都合が合わず、実現しませんでした。
Gudu Recordsのアートワークは独特のスタイルで、カバーにはパステルトーンのイラストが描かれていますね。
(2019年リリースの楽曲)“Starry Night”以降、アーティストが描いた作品をアルバムアートワークに採用してきました。各レコードには、ビジュアルアーティスト独自の特徴があります。アーティストによっては、既成の作品を使用させてもらう場合もあれば、私の曲を聴いて好きなものを描いてもらう場合もあります。これは、私にとってとても楽しいプロセスです。
私はとてつもないコントロールフリークです。例えば、全ての曲とそのアレンジを聴かなければなりません。しかしながら、アートワークをお願いするのは、他の人に任せる必要があることはわかっています。
Peggy Gouの個人的な音楽の話に戻りましょう。今は何に取り組んでいますか?
今のところ、3曲ほど入ったEPしかリリースしていません。なので、アルバムを出すタイミングだと思っています。2019年以前から少しずつ楽曲を作っていますが、初めてのアルバムなので気をつけています。
いくつかのコラボ楽曲を制作するのに長い時間がかかりましたが、個人の楽曲はほとんど終わりました。3月か4月にコラボ楽曲が制作し終われば、今夏にリリースできます。アルバムは、「Gudu Records」ではなく「XL Recordings」からリリースされるので、スケジュールを一緒に話し合う必要があります。
プロジェクトにはどのようなジャンルの楽曲が含まれていますか?
もちろん私の声が入ったダンス曲もあります。曲ごとにさまざまなBPMがあり、スペインのラッパーとのコラボ楽曲が1曲あります。さらに、私が本当に尊敬しているアーティストとのコラボ、そして、大好きなアーティストであるOlafur Eliasson(オラファー・エリアソン)と一緒に仕事をする準備ができています。今言えるのはこれだけです。
Peggy Gouの音楽の一貫したサウンドには、ピアノ、アシッドサウンド、ドラムで生成されたパーカッションおよびレトロな影響が含まれていますが、それはどこからインスピレーションを得ていますか?
自分が生まれる前の1980~1990年代に作られた曲を中心にインスパイアを受けています。音楽を作る前に、たくさんの曲を聴きます。そして、「ベースラインのこの部分を少し違ったやり方でやってみようか、それとも同じようにやってみようか?」と試行錯誤して、ようやく出発点に立ちます。
私はデジタルサウンドがあまり好きではありません。そのため、Roland TR-606やJUPITERなどのアナログシンセサイザーやドラムマシンを多く使用しています。私の曲はアナログサウンドでなければなりません。
自分自身の特徴的なサウンドをどのように説明しますか?
私にとって、それはボーカルとベースラインにあります。昔の夢は歌手になることでした。それからしばらくして、「多分歌わない方がいいんじゃないか」と思ったのですが、その頃には音楽を作ろうと思っていたので、少し勇気が必要でした。作る音は基本的にダンスミュージックで、今でも自分の声で歌っています。
最後になりますが、今日着用しているアイテムを教えてください。
アウターはS/E/Oという韓国のブランドです。上下はオーストラリア人デザイナー Dion Lee(ディオン・リー)によるもの。靴はCHANEL、バッグはLoewe。サングラスはMaison MargielaとGentle Monsterのコラボです。