“AI に感情がある”と主張した Google のエンジニアがついに解雇される
有給休職処分から約1カ月

6月上旬、AI(人工知能)搭載のチャットボットに“感情が芽生えている”と主張して有給の休職処分を受けた「Google(グーグル)」のソフトウェアエンジニアが、ついに解雇されたことが明らかとなった。
AI開発チームに所属していたものの、多種多様な性格表現を用いて人間のユーザーと対話するチャットボット『LaMDA(Language Model for Dialogue Applications)』に“感情が芽生えている”と発言したことにより、「Google」の“機密保持違反”に当たったとして有給休職処分を受けていたシニアソフトウェアエンジニアのBlake Lemoine(ブレイク・レモイン)。そんな彼が7月22日(現地時間)、『Big Technology』のポッドキャスト収録中に「数時間前に解雇が言い渡された」と報告。それに関し、「Google」は以下のように説明した。
「当社は、AIに関する原則の中で謳っているように、AIの開発を非常に厳粛に受け止め、責任あるイノベーションにコミットしています。LaMDAは11もの個別の審査を通したものであり、今年は責任ある開発の取り組みを詳しくまとめた研究論文も発表しました。Lemoineのように、社員が私たちの仕事について懸念を表明した場合、私たちはそれを幅広く検討します。私たちは“LaMDAに感情がある”という主張には全く根拠がないことがわかっており、何カ月にも渡ってLemoineとその点を明らかにするために努力しました。このような議論は、私たちが責任を持ってイノベーションを行うためのオープンカルチャーの一部でした。ですから、この話題について長い間話し合いを続けてきたにも関わらず、Lemoineが製品情報を保護するための“雇用とデータセキュリティのポリシー”に違反することを選んだのは残念なことです。私たちは今後も言語モデルの開発を注意深く続けていきます。Lemoineのご活躍を祈っています」。