iPhone に充電器がついていないと訴えたブラジル人男性が約13万円の賠償金を手にする
USB充電器が14個購入できる金額

2020年に発表したiPhone 12シリーズ以降、充電に必要なUSBアダプタの同梱を廃止していた「Apple(アップル)」。同社はシリーズ発売当時、環境保護のためと謳っていたが、端末の価格は下がっていない上に梱包が小さくなることで輸送コストが約40%削減され、約7,700億円もの利益を上げたことでも話題を呼んだ。そんな中、ブラジル・ゴイアニア在住の男性が「別途自分で購入しないと充電できないなんておかしい」と同社を提訴し、「Apple」から5,000レアル(約13万円)の支払いを受けることが明らかとなった。
ブラジルではiPhoneなどの電化製品に充電器を付属させない行為は基本、消費者保護法の違反にあたるようで、2020年12月にはサンパウロ州消費者保護法所轄局「Procon-SP」が、“iPhone購入時に充電器を求める消費者には無料でこれを提供しなければならない”と同社に命じている。一方で、当時の「Apple」は“充電器は既に持っている消費者が大半。付属品から除くことで二酸化炭素排出削減につながる”と抗弁しており、その後も電源アダプターが付属されることはなかった。
今回の裁判においても「Apple」は一貫して“電源アダプターを付属させないのは環境への負荷を軽減するため”と主張していたが、裁判官は「環境問題への影響を軽減させるためだとの主張は、被告が不可欠な付属品を製造し続けている上に別売りにしているため、無意味である」として否定。先述した通り、343レアル(約9,000円)のUSB充電器が14個購入できるほどの賠償金支払いを命じた。
なお、「Apple」は2021年3月には全国レベルで非同梱のiPhone 12について1,054万6,422.48レアル(約2億900万円)、同年9月にはiPhone 13についても同様の賠償金支払いが科されているという。