Reebok を語るうえで外せない定番モデル Classic Leather の魅力や背景について紐解く
クラシックプロダクト シニアディレクター・フィオナ・マックイーンにインタビューを敢行
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「Life is not a spectator sport(人生は観戦するスポーツではない)」。この言葉は野球のトップリーグであるMLBにおいて有色人種の参加が不可能と言われていた1940年代に、圧倒的な実力とタフなメンタルでデビューし活躍したアフリカ系アメリカ人選手Jackie Robinson(ジャッキー・ロビンソン)の名言である。それから40年ほど経過した1980年代前半に「Because Life is Not a Spectator Sport(人生とは観戦するスポーツではないから)」というロビンソンの名言をあえて引用したキャンペーンが行われ、これをきっかけに当時は競技用の靴という位置付けだったスニーカーが、日常的に誰もが履けるファッションアイテムへと昇華される。そして、このムーブメントを起こしたブランドこそがイギリス発の〈Reebok(リーボック)〉で、現在では当たり前なスニーカー=ファッションというイメージを定着させたアスレチックライフスタイルブランドだ。
そんな同ブランドは、Club C(クラブシー)やPump(ポンプ)シリーズ、DMX(ディーエムエックス)など数々の名作モデルをリリースし、さらに〈Maison Margiela(メゾン マルジェラ)〉や〈PALACE SKATEBOARDS(パレス スケートボード)〉など、ジャンルを問わず、さまざまなブランドと革新的なコラボレーションを行ってきた。
その中でも〈Reebok〉を語るうえで外せないスニーカーこそが1983年にオリジナルが登場したClassic Leather(クラシックレザー)であり、上質なガーメントレザーをアッパーに使用したランニングシューズとして世の中から高い注目を浴びた。機能性はもちろんのこと、クラシカルで洗練されたデザインが日常生活の中でも履きこなせるスニーカーとして人気を博し、今もなおアップデートされ続けている定番アイコンモデルである。そんなClassic Leatherが今年に入ってさらなる進化を遂げ、リニューアル発売される。また、多岐にわたるコラボレーションモデルも予定されているとのこと。ということで今回は、Classic Leatherの魅力や背景などについて、〈Reebok〉のクラシックプロダクト シニアディレクターであるFionna McQueen(フィオナ・マックイーン)にインタビューを行った。
HYPEBEAST: まずはClassic Leatherならではの魅力や特徴について教えてください。
やはり長年に渡って愛され続けているところが、他の商品とは違う魅力だと思います。古さを感じさせない、クラシック(定番)なアイテムですし、多くの人たちにとって特別な懐かしさを覚えるスニーカーではないでしょうか。
モデル名に“Classic”が入っているのは何か理由や経緯があるのでしょうか?
1983年の発売当初はいわゆる定番アイテムだからという意味合いはありませんでした。当時、どんなスタイルにも合う汎用性の高い“Classic”というラインがあり、そこから派生して“Classic”というモデル名になったんですよね。
そうだったんですね。そんなClassic Leatherがファッションアイテムとして世間に受け入れられるようになったのはいつ頃ですか?
1980年代前半に「Because Life is Not a Spectator Sport(人生は、見ているだけの競技ではないから)」というキャンペーンをReebokが打ち出し、それぞれが人生の主役としてアクティブに参加しているというメッセージを世の中に訴えました。それがきっかけで、日常的にスニーカーを履きたいという消費者の意欲を掻き立てることに成功し、自然と毎日履くシューズとしてスニーカーが選ばれるようになったんです。その理由は、Classic Leatherがワンピースやスラックス、ジーンズなど、あらゆるスタイルに合わせることができたからだと思います。今では数多くのブランドがクリーンなホワイトスニーカーを展開していますが、当時は非常に画期的なことでした。
そこからおおよそ40年もの間、多くのアップデートがなされて現在に至っているということですよね?
その通りです。常にアップデートをしているので正確な回数が記録として残っていないんですよね。今回のアップデートに関しては、何かを大きく変更させるものではなく、アイコニックなこのモデルをさらに洗練させています。具体的には、シャープですっきりとしたシェイプと一日中快適さを保つよう設計されたソックライナー、そして軽量な2層式EVAミッドソールが搭載されました。
今年リリースされる中でイチオシのモデルをピックアップしてもらえますか?
どれもイチオシですよ(笑)。その中でも個人的にはEames Office(イームズオフィス)やMaison Margielaとのコラボモデルがお気に入りです。アイコニックなデザイナーやデザインハウスによって定番のシルエットがどんな変貌を遂げるのか、私自身も楽しみにしています。インラインの中でピックアップするならば、やはり2月に発売したClassic Leather 1983 Vintageがイチオシです。本当に柔らかくて美しいレザーを採用したプレミアムモデルなんですよ。あとは、アッパーのデザインにフレッシュなツイストを加えたClassic Leather Make It Yours(5月発売予定)も楽しみにしていてほしいですね。
ありがとうございます。それでは最後に、HYPEBEAST読者に向けてメッセージをお願いいたします。
Classic Leatherは私たちの愛情の賜物であり、その細かなディテールのひとつひとつにクラフトマンシップが宿っています。今でもこのモデルが愛されていること、そして発売当初から様々な形でこのスニーカーが文化に貢献していることは、私にとっても非常に嬉しいことなんですよ。HYPEBEASTを読んでいる皆さんのように、クリエイティブなマインドを持ち、流行を牽引する人たちがClassic Leatherというモデルのレガシーを更新し続けてくれていることに感謝しています。
スニーカーがファッションアイテムへと昇華されるきっかけを作った〈Reebok〉の定番モデルClassic Leatherは、Fionna McQueenの言葉通り、常にアップデートを続け、細かなディテールのひとつひとつにクラフトマンシップが宿るスニーカーである。まるで、MLBで殿堂入りを果たし、今も世界中から愛され続けるあのJackie Robinsonのように。
そしてこの度、“Because Life is Not a Spectator Sport”キャンペーンから約40年の時を経て、新ブランドキャンペーン “Life is Not a Spectator Sport~人生を、動いて、動かせ~”が今年に入ってからスタートした。リニューアルローンチ第1弾のClassic Leather 1983 Vintageは2月17日(木)に販売開始されており、3月31日(木)にはキャンペーンのフォーカスモデルであるCLASSIC LEATHER OG(クラシックレザー OG)が〈Reebok〉各店舗、オンラインストア、その他〈Reebok〉取扱店でラインナップする。下のプレーヤーからバスケットボールレジェンド Allen Iverson(アレン・アイバーソン)をフィーチャーしたキャンペーン動画もチェックしてみよう。