かつて日本の国宝であった700年前の刀がオーストラリアで発見される
オーストラリア人男性がネットオークションから5,300ドルで落札

かつて日本の国宝であったものの、太平洋戦争後に所在不明となっていた刀がオーストラリアで発見されるという驚きのニュースが舞い込んできた。
今回発見されたのは、鎌倉時代末期の刀工である則重が作ったとされる伝則重。1818年に当時の薩摩藩主であった島津斉興によって鹿児島県・霧島市の神宮に奉納され、1945年にGHQ(連合国軍総司令部)に接収されてから、所在不明となっていた。オーストラリア・メルボルン在住の弁護士であり愛刀家のIan Brooks(イアン・ブルックス)は2018年、ネットオークションでこの刀を見つけ、アメリカ・ニューヨークに住む男性から5,300ドル(約60万円)で落札。その翌年、日本の文化庁の公式ホームページで刀のデータを確認していたところ、伝則重と複数の共通点があることに気が付いたという。
日米豪の刀専門家および愛刀家仲間の協力のもと調査を進めると、刀の長さや鐔(つば)に彫られた銘、ラベルの番号、金具の意匠などが、文化庁や神宮の記録と一致。文化庁文化財第一課は「実物はまだ見ていないが、特徴が一致していることから、おそらく伝則重だと考えていて、今回の発見は非常に喜ばしい」としている。なお、Brooksは、この刀に関して「私は現在66歳で、生きている間は刀を持っていたいが、遺言状には私の死後に刀が鹿児島神宮に戻ることが確実になるように書いてある」とコメントを残している。
【「刀」はよい状態だ】
旧国宝の「無銘則重」とみられる刀を発見したオーストラリアに住む
イアン・ブルックスさんがインタビューに応じました。#鹿児島神宮 #刀 #則重 #情報WAVEかごしまhttps://t.co/j6PfAMAmA7 pic.twitter.com/FGndl9EIEd— NHK鹿児島放送局 (@nhk_kagoshima) February 24, 2022