Off-White™️ がヴァージル・アブロー亡き後の計画を発表
ヴァージルが遺した“無限のアイデア”を今後も実行していく予定
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2月28日(現地時間)、フランス・パリで開催中のファッションウィークにて〈Off-White™️(オフホワイト)〉が、2022年秋冬コレクション “Spaceship Earth: an ‘Imaginary Experience.”を発表した。本コレクションは、昨年11月に逝去した同ブランドの創設者兼デザイナーであるVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)が生前に手掛けたデザインをもとに、彼と共に歩んできたクリエイティブチームやコラボレーターの協力を得て完成したもの。Virgilが亡くなって以来、彼の不在後の〈Off-White™️〉がどうなるのか、さまざまな噂が囁かれてきたが、このたび同ブランドとその親会社である「New Guards Group(ニューガーズ グループ)」が今後の計画を明らかにした。
『Business of Fashion』のレポートによると、Virgilは長年にわたって『WhatsApp』上で繰り広げられた会話の中に“無限のアイデア”を残しており、〈Off-White™️〉は今後それらを実行に移していくという。2019年から同ブランドのCEO(最高経営責任者)を務めるAndrea Grilliは、Virgilの“止むことのない創造性”を強調し、「彼がこのブランドに遺した燃料(アイデア)は、何十年も何世紀も続くものです。Virgilもそれを望んでいたはず。彼はいつも、Off-White™️は多世代に渡るブランドでなければならない、我々の子供たちはロデオドライブやサントノーレ通りでこれらを目にする必要がある、と言っていました」と語った。さらに、「次の2年間は(チームは)全速力で駆け抜ける」ことも付け加えた。
気になるVirgilの後任については、特定のデザイナーやディレクターを据える予定はないようだ。「New Guards Group」の共同設立者であるDavide De Giglioによると、今後の〈Off-White™️〉は“多様な人々で構成されるコレクティブやムーブメント”のようなレーベルになるという。彼はこのプランについて「Linuxやオープンソースを考えてみてください。新しいものを注入すれば、ソフトウェアのパターンが進化するのです」と例をあげて説明した。
また、〈Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)〉の会長兼CEOであるMichael Burke(マイケル・バーク)は、〈Off-White™️〉の現在置かれている状況が、1957年にChristian Dior(クリスチャン・ディオール)が亡くなった後に〈DIOR(ディオール)〉ブランドが経験したことと似ていると指摘。彼は〈Off-White™️〉の今後について「遺産が豊かであり、本物であり、なおかつファッションを超えた価値観に染まっていれば、過ぎ去ったことを永遠のものに変える可能性は充分にあります」と評している。