Cartier が Tiffany & Co. を営業秘密侵害で提訴
〈Tiffany & Co.〉の従業員が〈Cartier〉の機密情報を盗んだ疑い

フランスが誇るラグジュアリーメゾン〈Cartier(カルティエ)〉が、アメリカの老舗ラグジュアリーブランド〈Tiffany & Co.(ティファニー)〉を営業秘密侵害で提訴したことが明らかになった。
『Bloomberg』の報道によると、今回の問題のきっかけとなっているのは、〈Tiffany & Co.〉の従業員であるMegan Marino(ミーガン・マリノ)という人物。彼女は以前〈Cartier〉で働いており、退職前に同社のハイエンド・ビジネスに関する機密情報をダウンロードし、新たな雇用主である〈Tiffany & Co.〉に提出したと報じられている。Marinoは〈Tiffany & Co.〉で1,000万ドル以上の価格帯で販売されている1点物の高額商品ライン “ハイジュエリー”コレクションの仕事に関わっていたという。〈Cartier〉は今回の件について「競争力のある情報を盗用するというTiffany & Co.の不穏な文化に風穴を開けました」と語っており、競合ブランドの企業体質を痛烈に非難した。一方、〈Tiffany & Co.〉の広報担当者は「彼らの根拠のない主張を断固否定します」と反論している。なお、本件の訴訟文書によると、Marinoは現在〈Tiffany & Co.〉から解雇されている模様。しかし、〈Cartier〉は〈Tiffany & Co.〉の幹部が既に同社の企業秘密情報を入手していることは明白だ、と主張しているとのこと。
〈Cartier〉が〈Tiffany & Co.〉に対して法的措置を取るのは、近年では2度目となる。1度目は2014年、〈Tiffany & Co.〉の当時の広告担当幹部が〈Cartier〉の元アシスタントを同社に入社させ、機密情報を持ち込もうとしたとして訴えられている。