MUGLER の創始者 ティエリー・ミュグレーが逝去
享年73歳
フランス・パリのファッションブランド〈MUGLER（ミュグレー）〉の創始者であり、1980年代後半から1990年代初頭にかけて活躍した伝説的なデザイナー Thierry Mugler（ティエリー・ミュグレー）が、1月23日（現地時間）に73歳で逝去したことが報じられた。彼の死は〈MUGLER〉の公式『Instagram』を通して発表されており、死因は明らかになっていない。
1948年にフランス・ストラスプールに生まれたMuglerは、9歳でクラシックダンスを学び始め、14歳の時には「Opéra national du Rhin」のバレエ団に入団し、ダンサーとして活躍。同時期に「Strasbourg School of Decorative Arts」に入学してインテリアデザインを学んだ後、パリに渡りブティック『Gudule』でアシスタントデザイナーとしてキャリアをスタート。その後フリーランスのデザイナーとして活動していたMuglerはさまざまなファッションハウスにデザインを提供するようになる。1973年には“Cafe de Paris（カフェ・ド・パリ）”という初のコレクションを発表し、自身の名を冠したブランド〈Thierry Mugler〉を設立した。彼のブランドはオートクチュールへの前衛的なアプローチで瞬く間に有名になり、1980年代にはSMとハイファッションを融合させたようなスタイルで一世を風靡した。Grace Jones（グレース・ジョーンズ）やJoey Arias（ジョーイ・アリアス）などの数多くのアーティストがMuglerの服を着用したことで知られ、故David Bowie（デヴィッド・ボウイ）とは長年にわたってクリエイティブなコラボレーションを行っている。1990年代になると彼の人気は徐々に翳り始め、1997年にはブランドがフランスの香水会社に買収された。Muglerは2002年にブランドから退いたものの、2013年にクリエイティブ・アドバイザーとして復帰。2019年にはKim Kardashian（キム・カーダシアン）が「MET Gala（メットガラ）」で着用するドレスをデザインし、同年にはカナダの『モントリオール美術館（Montreal Museum of Fine Arts）』にて大規模な回顧展が開催された。
Muglerの作風は多くのデザイナーたちに影響を与えた。特に故Alexander McQueen（アレキサンダー・マックイーン）は彼をリスペクトしていたことで有名だ。また、近年ではMuglerのアーカイブが再評価されており、Lady Gaga（レディー・ガガ）やBeyonce（ビヨンセ）、Cardi B（カーディ・B）などのセレブリティがMVやレッドカーペット上で〈Thierry Mugler〉のヴィンテージピースを着用する姿が目撃されている。
『HYPEBEAST』編集部一同、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
