9年前にギリシャで盗難されたパブロ・ピカソとピート・モンドリアンの絵画2点が森の中で発見される
容疑者は財政危機の影響で国立美術館の警備が手薄状態だったことから犯行に及ぶ

2012年にギリシャ・アテネの国立美術館から盗難されていたPablo Picasso(パブロ・ピカソ)とPiet Mondrian(ピート・モンドリアン)の絵画2点が、約10年の時を経てギリシャ当局によって回収されたことが発表された。
容疑者はギリシャ国籍の建設作業員の49歳男性で、2012年当時の同国は財政危機だった影響で国立美術館の警備を手薄にしていたことから犯行を計画。その結果、Picassoが第二次世界大戦時のナチス・ドイツに対するギリシャの抵抗活動に敬意を表して同国に寄贈した“Head of a Woman(女の頭部)”(1939年)、Mondrianの活動初期の風景画 “Landscape with a mill(水辺の風車)”(1905年)、16世紀のイタリア人画家 Guglielmo Caccia(グリエルモ・カッチャ)が描いたスケッチ “San Diego de Alcala”の3点を盗難。Cacciaの作品に関しては盗難時に損傷したためすぐに破棄し、残る2点は長らく自宅で保管していたが、最近になり隠し場所を近くの渓谷の草木の中に移したところ発見され逮捕に至ったという。
Lina Mendoni(リナ・メンドニ)文化相は記者会見で、「今日は特別な日で、大きなよろこびと感情の日です。“Head of a Woman”の裏には『ギリシャの人々へ、Picassoからの贈り物』と記されていることから、作品を売ることは不可能だったでしょう」とコメント。なお、無事に回収された絵画は同美術館にて再び展示される予定とのことなので、もし現地を訪れる機会がある方はぜひ足を運んでみよう。